ID stringlengths 13 13 | Category stringclasses 12
values | Context stringlengths 1 4.96k | Question stringlengths 7 248 | GroundtruthAnswer stringlengths 2 663 |
|---|---|---|---|---|
JCRRAG_001001 | 国語 | 第三者
INTERLOPER
サキ Saki
妹尾韶夫訳
東部カルパチア山地の森の中である。
ある冬の寒い晩、一人の男が銃を片手に耳をすましていた。ちょっとみると、鳥か獣があらわれるのを待っているようだ。が、じつのところはそうでないのである。この男――ウルリッヒ・フォン・グラドウィツは、人間があらわれるのを待っているのだ。
彼が所有する山林には、野獣がたくさんいた。でも山林のはずれのこのあたりには、そんなにいない。それにもかかわらず、このあたりが気になって仕様がないのだ。もともとこの山林は、彼の祖父が、不法な理由で所有していた小さい地主から、裁判沙汰で無理に奪いとったものである。奪われた小地主は、その裁判が不服だった。それい... | 一人の男は銃を片手に何をしていましたか。 | 一人の男は、銃を片手に耳をすましていました。 |
JCRRAG_001002 | 国語 | 第三者
INTERLOPER
サキ Saki
妹尾韶夫訳
東部カルパチア山地の森の中である。
ある冬の寒い晩、一人の男が銃を片手に耳をすましていた。ちょっとみると、鳥か獣があらわれるのを待っているようだ。が、じつのところはそうでないのである。この男――ウルリッヒ・フォン・グラドウィツは、人間があらわれるのを待っているのだ。
彼が所有する山林には、野獣がたくさんいた。でも山林のはずれのこのあたりには、そんなにいない。それにもかかわらず、このあたりが気になって仕様がないのだ。もともとこの山林は、彼の祖父が、不法な理由で所有していた小さい地主から、裁判沙汰で無理に奪いとったものである。奪われた小地主は、その裁判が不服だった。それい... | ウルリッヒ・フォン・グラドウィツは何を待っていましたか。 | ウルリッヒ・フォン・グラドウィツは、人間があらわれるのを待っていました。 |
JCRRAG_001003 | 国語 | 真夏の夢
ストリンドベルヒ August Strindberg
有島武郎訳
北の国も真夏のころは花よめのようなよそおいをこらして、大地は喜びに満ち、小川は走り、牧場の花はまっすぐに延び、小鳥は歌いさえずります。その時一羽の鳩が森のおくから飛んで来て、寝ついたなりで日をくらす九十に余るおばあさんの家の窓近く羽を休めました。
物の二十年も臥せったなりのこのおばあさんは、二人のむすこが耕すささやかな畑地のほかに、窓越しに見るものはありませなんだが、おばあさんの窓のガラスは、にじのようなさまざまな色のをはめてあったから、そこからのぞく人間も世間も、普通のものとは異なっていました。まくらの上でちょっと頭さえ動かせば、目に見える景色が赤、... | 奥さんは、どのような毛の帽子をかぶっていましたか。 | 奥さんは、罌粟のような赤い毛の帽子をかぶっていました。 |
JCRRAG_001004 | 国語 | 第三者
INTERLOPER
サキ Saki
妹尾韶夫訳
東部カルパチア山地の森の中である。
ある冬の寒い晩、一人の男が銃を片手に耳をすましていた。ちょっとみると、鳥か獣があらわれるのを待っているようだ。が、じつのところはそうでないのである。この男――ウルリッヒ・フォン・グラドウィツは、人間があらわれるのを待っているのだ。
彼が所有する山林には、野獣がたくさんいた。でも山林のはずれのこのあたりには、そんなにいない。それにもかかわらず、このあたりが気になって仕様がないのだ。もともとこの山林は、彼の祖父が、不法な理由で所有していた小さい地主から、裁判沙汰で無理に奪いとったものである。奪われた小地主は、その裁判が不服だった。それい... | グラドウィツが所有する山林には、何がたくさんいましたか。 | グラドウィツが所有する山林には野獣がたくさんいました。 |
JCRRAG_001005 | 国語 | 第三者
INTERLOPER
サキ Saki
妹尾韶夫訳
東部カルパチア山地の森の中である。
ある冬の寒い晩、一人の男が銃を片手に耳をすましていた。ちょっとみると、鳥か獣があらわれるのを待っているようだ。が、じつのところはそうでないのである。この男――ウルリッヒ・フォン・グラドウィツは、人間があらわれるのを待っているのだ。
彼が所有する山林には、野獣がたくさんいた。でも山林のはずれのこのあたりには、そんなにいない。それにもかかわらず、このあたりが気になって仕様がないのだ。もともとこの山林は、彼の祖父が、不法な理由で所有していた小さい地主から、裁判沙汰で無理に奪いとったものである。奪われた小地主は、その裁判が不服だった。それい... | グラドウィツが世界中で一番にくらしいと思うのは何ですか。 | グラドウィツが世界中で一番にくらしいと思うのは、自分の土地に侵入して野獣をとるズネームという小地主です。 |
JCRRAG_001006 | 国語 | 世界怪談名作集
幽霊の移転
ストックトン Francis Richard Stockton
岡本綺堂訳
ジョン・ヒンクマン氏の田園住宅は、いろいろの理由から僕にとっては甚だ愉快な場所で、やや無遠慮ではあるが、まことに居心地のよい接待ぶりの寓居であった。庭には綺麗に刈り込んだ芝原と、塔のように突っ立った槲や楡の木があって、ほかにも所どころに木立ちが茂っていた。家から遠くないところに小さい流れがあって、そこには皮付きの粗末な橋が架けてあった。
ここらには花もあれば果物もあり、愉快な人たちも住んでいて、将棋、玉突き、騎馬、散歩、魚釣りなどの遊戯機関もそなわっていた。それらはもちろん、大いに人を惹くの力はあったが、単にそれだけのことで... | 幽霊のようなものは僕に何と話しかけましたか。 | 幽霊のようなものは僕に、「あなたはヒンクマン氏が今夜帰るかどうだか、ご承知ですか」と話しかけました。 |
JCRRAG_001007 | 国語 | 第三者
INTERLOPER
サキ Saki
妹尾韶夫訳
東部カルパチア山地の森の中である。
ある冬の寒い晩、一人の男が銃を片手に耳をすましていた。ちょっとみると、鳥か獣があらわれるのを待っているようだ。が、じつのところはそうでないのである。この男――ウルリッヒ・フォン・グラドウィツは、人間があらわれるのを待っているのだ。
彼が所有する山林には、野獣がたくさんいた。でも山林のはずれのこのあたりには、そんなにいない。それにもかかわらず、このあたりが気になって仕様がないのだ。もともとこの山林は、彼の祖父が、不法な理由で所有していた小さい地主から、裁判沙汰で無理に奪いとったものである。奪われた小地主は、その裁判が不服だった。それい... | 二人をおさえつけたものは何でしたか。 | 二人をおさえつけたものは、倒れた橅の大木の幹でした。 |
JCRRAG_001008 | 国語 | 真夏の夢
ストリンドベルヒ August Strindberg
有島武郎訳
北の国も真夏のころは花よめのようなよそおいをこらして、大地は喜びに満ち、小川は走り、牧場の花はまっすぐに延び、小鳥は歌いさえずります。その時一羽の鳩が森のおくから飛んで来て、寝ついたなりで日をくらす九十に余るおばあさんの家の窓近く羽を休めました。
物の二十年も臥せったなりのこのおばあさんは、二人のむすこが耕すささやかな畑地のほかに、窓越しに見るものはありませなんだが、おばあさんの窓のガラスは、にじのようなさまざまな色のをはめてあったから、そこからのぞく人間も世間も、普通のものとは異なっていました。まくらの上でちょっと頭さえ動かせば、目に見える景色が赤、... | 一羽の鳩はどこからおばあさんの家に飛んで来ましたか。 | 一羽の鳩は、森のおくからおばあさんの家に飛んで来ました。 |
JCRRAG_001009 | 国語 | 鳥について
砂東 塩
部屋に鳥がいる。
巣箱を模して五角形に曲げられたワイヤーの屋根部分には丸い輪があり、そこに紐を通して天井から吊り下げられ、ワイヤーとビーズで作られた鳥が重たげな体でとまっている。
ビーズは透明な赤、青、緑、黄の四色。ワイヤーをぐるぐる巻きにしたトンボの眼鏡のような直径一センチほどの目が赤い顔につけられていて、左右の目の位置が上下にずれているから正面から見ると酔っ払ったオヤジだ。太い嘴は青く、数が足りなかったのか赤いビーズがひとつだけ使われている。ずんぐりした胴体に比べて頼りない足。お尻に生えた十数本のワイヤーは長い尾羽。
私が鳥をもらったのは十年以上前になる。何度か店に来た客で、南アフリカに帰る... | 部屋には何がいますか。 | 部屋には鳥がいます。 |
JCRRAG_001010 | 国語 | 西洋科学は素晴らしい
C. スミス C. Smith
The Creative CAT 訳
一人の火星人と三人の共産主義者の出任せ話でございます
火星人は御影石の小さな断崖の上に座っていた。そよ風を楽しめるように小ぶりな樅の木の形態を取っている。尖った常緑樹の葉の間を風が気持ちよく吹いていった。
崖下に一人のアメリカ人が立っていた。火星人が目にした初めてのアメリカ人である。
アメリカ人はポケットから魅惑的なまでに巧妙な装置を取り出した。金属製の小箱で、ノズルが持ち上がると即座に炎を発した。彼は苦もなくこの神秘の装置から、至福を齎す薬草の詰まった円筒に火を移した。火星人はこれがアメリカ人たちがシガレットと呼ぶものであることを... | 中国人扇動家の姿に形態を変えた火星人は、アメリカ人に向かって何と叫びましたか。 | 中国人扇動家の姿に形態を変えた火星人は、アメリカ人に向かって英語で「ハロー、フレンド!」と叫びました。 |
JCRRAG_001011 | 国語 | マカーガー峽谷の秘密
THE SECRET OF MACARGER'S GULCH
アンブローズ・ビアス Ambrose Bierce
妹尾韶夫訳
マカーガー峡谷は、インディアン山から、まっすぐに九マイル西北の地点にある。峡谷とはいうものの、じつはあまり高くもない、木のはえた二つの尾根にはさまれたくぼみにすぎず、上流の口から下流の口まで――峡谷も河とおなじように、それ自身の構造をもっていて、かみてとしもてがある――長さ二マイル以上ではなく、幅も十二ヤード以上のところは、一ヵ所しかない。というのは、冬は流れるが、春さきになると乾く渓流がまんなかにあって、その両岸にほとんど平地がないからである。そして、山の急斜面には、ほとんど歩くこ... | 山の急斜面には何がしげっていますか。 | 山の急斜面には、マンサニータやケミサルがしげっています。 |
JCRRAG_001012 | 国語 | マカーガー峽谷の秘密
THE SECRET OF MACARGER'S GULCH
アンブローズ・ビアス Ambrose Bierce
妹尾韶夫訳
マカーガー峡谷は、インディアン山から、まっすぐに九マイル西北の地点にある。峡谷とはいうものの、じつはあまり高くもない、木のはえた二つの尾根にはさまれたくぼみにすぎず、上流の口から下流の口まで――峡谷も河とおなじように、それ自身の構造をもっていて、かみてとしもてがある――長さ二マイル以上ではなく、幅も十二ヤード以上のところは、一ヵ所しかない。というのは、冬は流れるが、春さきになると乾く渓流がまんなかにあって、その両岸にほとんど平地がないからである。そして、山の急斜面には、ほとんど歩くこ... | 私が乾いた河床をつたってマカーガー峡谷にはいったのは何年のことでしたか。 | 私が乾いた河床をつたってマカーガー峡谷にはいったのは、一八七四年のことでした。 |
JCRRAG_001013 | 国語 | マカーガー峽谷の秘密
THE SECRET OF MACARGER'S GULCH
アンブローズ・ビアス Ambrose Bierce
妹尾韶夫訳
マカーガー峡谷は、インディアン山から、まっすぐに九マイル西北の地点にある。峡谷とはいうものの、じつはあまり高くもない、木のはえた二つの尾根にはさまれたくぼみにすぎず、上流の口から下流の口まで――峡谷も河とおなじように、それ自身の構造をもっていて、かみてとしもてがある――長さ二マイル以上ではなく、幅も十二ヤード以上のところは、一ヵ所しかない。というのは、冬は流れるが、春さきになると乾く渓流がまんなかにあって、その両岸にほとんど平地がないからである。そして、山の急斜面には、ほとんど歩くこ... | 私は煖炉に火をたいて何を焼きましたか。 | 私は煖炉に火をたいてうずらを焼きました。 |
JCRRAG_001014 | 国語 | マカーガー峽谷の秘密
THE SECRET OF MACARGER'S GULCH
アンブローズ・ビアス Ambrose Bierce
妹尾韶夫訳
マカーガー峡谷は、インディアン山から、まっすぐに九マイル西北の地点にある。峡谷とはいうものの、じつはあまり高くもない、木のはえた二つの尾根にはさまれたくぼみにすぎず、上流の口から下流の口まで――峡谷も河とおなじように、それ自身の構造をもっていて、かみてとしもてがある――長さ二マイル以上ではなく、幅も十二ヤード以上のところは、一ヵ所しかない。というのは、冬は流れるが、春さきになると乾く渓流がまんなかにあって、その両岸にほとんど平地がないからである。そして、山の急斜面には、ほとんど歩くこ... | インディアン山から、まっすぐに九マイル西北の地点には何がありますか。 | インディアン山から九マイル西北の地点には、マカーガー峡谷があります。 |
JCRRAG_001015 | 国語 | 真夏の夢
ストリンドベルヒ August Strindberg
有島武郎訳
北の国も真夏のころは花よめのようなよそおいをこらして、大地は喜びに満ち、小川は走り、牧場の花はまっすぐに延び、小鳥は歌いさえずります。その時一羽の鳩が森のおくから飛んで来て、寝ついたなりで日をくらす九十に余るおばあさんの家の窓近く羽を休めました。
物の二十年も臥せったなりのこのおばあさんは、二人のむすこが耕すささやかな畑地のほかに、窓越しに見るものはありませなんだが、おばあさんの窓のガラスは、にじのようなさまざまな色のをはめてあったから、そこからのぞく人間も世間も、普通のものとは異なっていました。まくらの上でちょっと頭さえ動かせば、目に見える景色が赤、... | おばあさんは何年臥せったなりですか。 | おばあさんは、二十年も臥せったなりです。 |
JCRRAG_001016 | 国語 | 西洋科学は素晴らしい
C. スミス C. Smith
The Creative CAT 訳
一人の火星人と三人の共産主義者の出任せ話でございます
火星人は御影石の小さな断崖の上に座っていた。そよ風を楽しめるように小ぶりな樅の木の形態を取っている。尖った常緑樹の葉の間を風が気持ちよく吹いていった。
崖下に一人のアメリカ人が立っていた。火星人が目にした初めてのアメリカ人である。
アメリカ人はポケットから魅惑的なまでに巧妙な装置を取り出した。金属製の小箱で、ノズルが持ち上がると即座に炎を発した。彼は苦もなくこの神秘の装置から、至福を齎す薬草の詰まった円筒に火を移した。火星人はこれがアメリカ人たちがシガレットと呼ぶものであることを... | 火星人はどこに座っていましたか。 | 火星人は、御影石の小さな断崖の上に座っていました。 |
JCRRAG_001017 | 国語 | 鳥について
砂東 塩
部屋に鳥がいる。
巣箱を模して五角形に曲げられたワイヤーの屋根部分には丸い輪があり、そこに紐を通して天井から吊り下げられ、ワイヤーとビーズで作られた鳥が重たげな体でとまっている。
ビーズは透明な赤、青、緑、黄の四色。ワイヤーをぐるぐる巻きにしたトンボの眼鏡のような直径一センチほどの目が赤い顔につけられていて、左右の目の位置が上下にずれているから正面から見ると酔っ払ったオヤジだ。太い嘴は青く、数が足りなかったのか赤いビーズがひとつだけ使われている。ずんぐりした胴体に比べて頼りない足。お尻に生えた十数本のワイヤーは長い尾羽。
私が鳥をもらったのは十年以上前になる。何度か店に来た客で、南アフリカに帰る... | ワイヤーは何を模して五角形に曲げられていますか。 | ワイヤーは巣箱を模して五角形に曲げられています。 |
JCRRAG_001018 | 国語 | 世界怪談名作集
幽霊の移転
ストックトン Francis Richard Stockton
岡本綺堂訳
ジョン・ヒンクマン氏の田園住宅は、いろいろの理由から僕にとっては甚だ愉快な場所で、やや無遠慮ではあるが、まことに居心地のよい接待ぶりの寓居であった。庭には綺麗に刈り込んだ芝原と、塔のように突っ立った槲や楡の木があって、ほかにも所どころに木立ちが茂っていた。家から遠くないところに小さい流れがあって、そこには皮付きの粗末な橋が架けてあった。
ここらには花もあれば果物もあり、愉快な人たちも住んでいて、将棋、玉突き、騎馬、散歩、魚釣りなどの遊戯機関もそなわっていた。それらはもちろん、大いに人を惹くの力はあったが、単にそれだけのことで... | ヒンクマン氏はきょうどこへいきましたか。 | ヒンクマン氏は、きょう、二百マイルも遠いブリストルへいきました。 |
JCRRAG_001019 | 国語 | 共食い金魚
砂東 塩
ぬるく、ゆるやかに対流する閉じた世界。水のなかで食いちぎられた尾びれを揺らしながらプラスチック越しに見える景色。小さな魚たちは、空気の充満したこの重苦しい世界に憧れたりするのだろうか。
頭上に浮かぶ餌、エアポンプから排出される酸素。プラスチックでできた水草は光を受けても光合成しない。薄暗い部屋の隅、小さな魚たちは小さな水槽のなかで数枚の人工の草陰に隠れる。けれどあの大きな赤い生き物はそれを押しのけ、ぬるく濁った水とともにすべてを飲み込んでしまう。
丸飲みされて、溶けて、排出される。
◇
寝苦しさに目が覚めた。首筋に張り付いた髪を無造作にかきあげたその手で鎖骨から胸元までを拭う。じっとりと濡れ... | 私の隣で寝ているのは誰ですか。 | 私の隣で寝ているのは夫です。 |
JCRRAG_001020 | 国語 | 動物物語 狼の王ロボ
アーネスト・トムソン・シートン
薄田斬雲訳
おおかみ狩りの勧誘状
「カランポーの谷の王様おおかみロボの首に、一千ドルの懸賞がかけられた。」
このうわさは、土地の新聞から全メキシコへひろまった。カランポーというのは、北部メキシコを流れている川の名だ。その川の流域には、広々とした草原が開け、それが大きな牧場になっていた。ところがこの谷に一群のおおかみがすんでいて、しきりに家畜をあらす。そのおおかみの群れの王と見られるのは、土地の人々からロボと呼ばれる、まことに悪がしこく獰猛なやつであった。
土地の羊飼達はもちろん、よそからもおおかみ狩りを自慢の連中が続々とやってきて、この悪獣を退治しようとしたのであったが、... | ロボの首にかけられた懸賞は何ドルでしたか。 | ロボの首にかけられた懸賞は一千ドルです。 |
JCRRAG_001021 | 国語 | 動物物語 狼の王ロボ
アーネスト・トムソン・シートン
薄田斬雲訳
おおかみ狩りの勧誘状
「カランポーの谷の王様おおかみロボの首に、一千ドルの懸賞がかけられた。」
このうわさは、土地の新聞から全メキシコへひろまった。カランポーというのは、北部メキシコを流れている川の名だ。その川の流域には、広々とした草原が開け、それが大きな牧場になっていた。ところがこの谷に一群のおおかみがすんでいて、しきりに家畜をあらす。そのおおかみの群れの王と見られるのは、土地の人々からロボと呼ばれる、まことに悪がしこく獰猛なやつであった。
土地の羊飼達はもちろん、よそからもおおかみ狩りを自慢の連中が続々とやってきて、この悪獣を退治しようとしたのであったが、... | カランポーとは何ですか。 | カランポーは、メキシコを流れている川の名です。 |
JCRRAG_001022 | 国語 | 共食い金魚
砂東 塩
ぬるく、ゆるやかに対流する閉じた世界。水のなかで食いちぎられた尾びれを揺らしながらプラスチック越しに見える景色。小さな魚たちは、空気の充満したこの重苦しい世界に憧れたりするのだろうか。
頭上に浮かぶ餌、エアポンプから排出される酸素。プラスチックでできた水草は光を受けても光合成しない。薄暗い部屋の隅、小さな魚たちは小さな水槽のなかで数枚の人工の草陰に隠れる。けれどあの大きな赤い生き物はそれを押しのけ、ぬるく濁った水とともにすべてを飲み込んでしまう。
丸飲みされて、溶けて、排出される。
◇
寝苦しさに目が覚めた。首筋に張り付いた髪を無造作にかきあげたその手で鎖骨から胸元までを拭う。じっとりと濡れ... | 私が最近繰り返し見る夢は、どんな夢ですか。 | 私が最近繰り返し見る夢は、金魚に食われる金魚の夢です。 |
JCRRAG_001023 | 国語 | 動物物語 狼の王ロボ
アーネスト・トムソン・シートン
薄田斬雲訳
おおかみ狩りの勧誘状
「カランポーの谷の王様おおかみロボの首に、一千ドルの懸賞がかけられた。」
このうわさは、土地の新聞から全メキシコへひろまった。カランポーというのは、北部メキシコを流れている川の名だ。その川の流域には、広々とした草原が開け、それが大きな牧場になっていた。ところがこの谷に一群のおおかみがすんでいて、しきりに家畜をあらす。そのおおかみの群れの王と見られるのは、土地の人々からロボと呼ばれる、まことに悪がしこく獰猛なやつであった。
土地の羊飼達はもちろん、よそからもおおかみ狩りを自慢の連中が続々とやってきて、この悪獣を退治しようとしたのであったが、... | ロボは何色ですか。 | ロボは、灰色です。 |
JCRRAG_001024 | 国語 | やどなし犬
鈴木三重吉
一
むかし、アメリカの或小さな町に、人のいい、はたらきものの肉屋がいました。冬の半の或寒い朝のことでした。外は、ひどい風が雨を横なぐりにふきつけて、びゅうびゅうあれつづけています。人々は、こうもりのえにかたくつかまりながら、ころがるようなかっこうをして、つとめの場所へ出ていきます。肉屋は、店のわかいものたちと一しょに、かじかんだ手で、肉切ぼうちょうをといでいました。
すると、店のまえのたたきのところへ、一ぴきのやせた犬がびしょぬれになって、のそりのそりとやって来ました。そして、はげしいしぶきの中に、のこりとすわって、店先に下っている肉のかたまりを、じろじろ見上げていました。どこかのやどな... | はたらきものの肉屋がいたのはどんな町ですか。 | はたらきものの肉屋がいたのは、アメリカの小さな町です。 |
JCRRAG_001025 | 国語 | ジーキル博士とハイド氏の怪事件
THE STRANGE CASE OF DR. JEKYLL AND MR. HYDE
スティーヴンスン Stevenson Robert Louis
佐々木直次郎訳
(中略)
弁護士のアッタスン氏は、いかつい顔をした男で、微笑なぞ決して浮かべたことがなかった。話をする時は冷ややかで、口数も少なく、話下手だった。感情はあまり外に出さなかった。やせていて、背が高く、そっけなくて、陰気だが、それでいて何となく人好きのするところがあった。気らくな会合などでは、とくに口に合った酒が出たりすると、何かしらとても優しいものが彼の眼から輝いた。実際、それは彼の話の中には決して出て来ないものであった。が、食後の... | アッタスン氏は、ひとりの時には何を飲んでいましたか。 | アッタスン氏は、ひとりの時にはジン酒を飲んでいました。 |
JCRRAG_001026 | 国語 | ジーキル博士とハイド氏の怪事件
THE STRANGE CASE OF DR. JEKYLL AND MR. HYDE
スティーヴンスン Stevenson Robert Louis
佐々木直次郎訳
(中略)
弁護士のアッタスン氏は、いかつい顔をした男で、微笑なぞ決して浮かべたことがなかった。話をする時は冷ややかで、口数も少なく、話下手だった。感情はあまり外に出さなかった。やせていて、背が高く、そっけなくて、陰気だが、それでいて何となく人好きのするところがあった。気らくな会合などでは、とくに口に合った酒が出たりすると、何かしらとても優しいものが彼の眼から輝いた。実際、それは彼の話の中には決して出て来ないものであった。が、食後の... | アッタスン氏とエンフィールド氏が散歩をしていたのは何曜日ですか。 | アッタスン氏とエンフィールド氏が散歩をしていたのは日曜日です。 |
JCRRAG_001027 | 国語 | 狸問答
鈴木鼓村
私は、よく怪物に勝つことがあるよ、しかし或は負けていたのかもしれないがね――
数年前、さる家を訪ねて、昼飯の馳走に与って、やがてその家を辞して、ぶらぶら向島の寺島村の堤にかかったのが、四時頃のことだ、秋の頃で戸外は未だ中々明るい、私が昼の膳に出してくれた、塩鰹が非常に好味といったので、その主人が、それなら、まだ残っているこの片身を持って行きたまえというので、それを新聞紙に包んでもらって、片手に提げながらやってくると、堤の上を二三町歩むか歩まぬ内突然、四辺が真暗に暮れてしまった、なんぼ秋の日は釣瓶落だと云ったって、今の先まで、あんなに明るかったものが、こんな急に、暗くなる道理はない、その時分には未だあの辺も開け... | 私が京都に居たのは何年前ですか。 | 私が京都に居たのは四年ばかり前です。 |
JCRRAG_001028 | 国語 | 動物物語 狼の王ロボ
アーネスト・トムソン・シートン
薄田斬雲訳
おおかみ狩りの勧誘状
「カランポーの谷の王様おおかみロボの首に、一千ドルの懸賞がかけられた。」
このうわさは、土地の新聞から全メキシコへひろまった。カランポーというのは、北部メキシコを流れている川の名だ。その川の流域には、広々とした草原が開け、それが大きな牧場になっていた。ところがこの谷に一群のおおかみがすんでいて、しきりに家畜をあらす。そのおおかみの群れの王と見られるのは、土地の人々からロボと呼ばれる、まことに悪がしこく獰猛なやつであった。
土地の羊飼達はもちろん、よそからもおおかみ狩りを自慢の連中が続々とやってきて、この悪獣を退治しようとしたのであったが、... | タンナリーはどこから乗り込んできましたか。 | タンナリーは、テキサス州から乗り込んできました。 |
JCRRAG_001029 | 国語 | ジーキル博士とハイド氏の怪事件
THE STRANGE CASE OF DR. JEKYLL AND MR. HYDE
スティーヴンスン Stevenson Robert Louis
佐々木直次郎訳
(中略)
弁護士のアッタスン氏は、いかつい顔をした男で、微笑なぞ決して浮かべたことがなかった。話をする時は冷ややかで、口数も少なく、話下手だった。感情はあまり外に出さなかった。やせていて、背が高く、そっけなくて、陰気だが、それでいて何となく人好きのするところがあった。気らくな会合などでは、とくに口に合った酒が出たりすると、何かしらとても優しいものが彼の眼から輝いた。実際、それは彼の話の中には決して出て来ないものであった。が、食後の... | 弁護士のアッタスン氏はどんな顔ですか。 | 弁護士のアッタスン氏は、いかつい顔をしています。 |
JCRRAG_001030 | 国語 | 動物物語 狼の王ロボ
アーネスト・トムソン・シートン
薄田斬雲訳
おおかみ狩りの勧誘状
「カランポーの谷の王様おおかみロボの首に、一千ドルの懸賞がかけられた。」
このうわさは、土地の新聞から全メキシコへひろまった。カランポーというのは、北部メキシコを流れている川の名だ。その川の流域には、広々とした草原が開け、それが大きな牧場になっていた。ところがこの谷に一群のおおかみがすんでいて、しきりに家畜をあらす。そのおおかみの群れの王と見られるのは、土地の人々からロボと呼ばれる、まことに悪がしこく獰猛なやつであった。
土地の羊飼達はもちろん、よそからもおおかみ狩りを自慢の連中が続々とやってきて、この悪獣を退治しようとしたのであったが、... | タンナリーが連れていた二十頭の猟犬のうち、帰ってきたのは何頭ですか。 | タンナリーの猟犬は、二十頭のうち六頭が帰ってきました。 |
JCRRAG_001031 | 国語 | 黄金鳥
鈴木三重吉
一
貧乏な百姓の夫婦がいました。二人は子どもがたくさんあって、苦しいところへ、また一人、男の子が生れました。
けれども、そんなふうに家がひどく貧乏だものですから、人がいやがって、だれもその子の名附親になってくれるものがありませんでした。
夫婦はどうしたらいいかと、こまっていました。すると、或朝、一人のよぼよぼの乞食のじいさんが、ものをもらいに来ました。夫婦は、かわいそうだと思って、じぶんたちの食べるものを分けてやりました。
乞食のじいさんは、二人が、へんにしおしおしているのを見て、どうしたわけかと聞きました。二人は、生れた子どもの名附親になってくれる人がないから困っているところだと話しま... | 別れるときにじいさんがポケットから取り出したものは何ですか。 | じいさんは別れるときに、ポケットから小さなさびた鍵を一つ取り出しました。 |
JCRRAG_001032 | 国語 | 黄金鳥
鈴木三重吉
一
貧乏な百姓の夫婦がいました。二人は子どもがたくさんあって、苦しいところへ、また一人、男の子が生れました。
けれども、そんなふうに家がひどく貧乏だものですから、人がいやがって、だれもその子の名附親になってくれるものがありませんでした。
夫婦はどうしたらいいかと、こまっていました。すると、或朝、一人のよぼよぼの乞食のじいさんが、ものをもらいに来ました。夫婦は、かわいそうだと思って、じぶんたちの食べるものを分けてやりました。
乞食のじいさんは、二人が、へんにしおしおしているのを見て、どうしたわけかと聞きました。二人は、生れた子どもの名附親になってくれる人がないから困っているところだと話しま... | 御殿のように立派な家の中に立っていたものは何ですか。 | きれいな、小さな灰色の馬が、おとなしく立っていました。 |
JCRRAG_001033 | 国語 | 狸問答
鈴木鼓村
私は、よく怪物に勝つことがあるよ、しかし或は負けていたのかもしれないがね――
数年前、さる家を訪ねて、昼飯の馳走に与って、やがてその家を辞して、ぶらぶら向島の寺島村の堤にかかったのが、四時頃のことだ、秋の頃で戸外は未だ中々明るい、私が昼の膳に出してくれた、塩鰹が非常に好味といったので、その主人が、それなら、まだ残っているこの片身を持って行きたまえというので、それを新聞紙に包んでもらって、片手に提げながらやってくると、堤の上を二三町歩むか歩まぬ内突然、四辺が真暗に暮れてしまった、なんぼ秋の日は釣瓶落だと云ったって、今の先まで、あんなに明るかったものが、こんな急に、暗くなる道理はない、その時分には未だあの辺も開け... | 塩鰹を一時に食った私は翌日どうなりましたか。 | 塩鰹を一時に食った私は、咽が渇いてやたらに水を飲んだので、翌日下痢で苦しみました。 |
JCRRAG_001034 | 国語 | 黄金鳥
鈴木三重吉
一
貧乏な百姓の夫婦がいました。二人は子どもがたくさんあって、苦しいところへ、また一人、男の子が生れました。
けれども、そんなふうに家がひどく貧乏だものですから、人がいやがって、だれもその子の名附親になってくれるものがありませんでした。
夫婦はどうしたらいいかと、こまっていました。すると、或朝、一人のよぼよぼの乞食のじいさんが、ものをもらいに来ました。夫婦は、かわいそうだと思って、じぶんたちの食べるものを分けてやりました。
乞食のじいさんは、二人が、へんにしおしおしているのを見て、どうしたわけかと聞きました。二人は、生れた子どもの名附親になってくれる人がないから困っているところだと話しま... | 坊さんはじいさんに何を聞きましたか。 | 坊さんはじいさんに、百姓夫婦の子どもの名前を聞きました。 |
JCRRAG_001035 | 国語 | 狸問答
鈴木鼓村
私は、よく怪物に勝つことがあるよ、しかし或は負けていたのかもしれないがね――
数年前、さる家を訪ねて、昼飯の馳走に与って、やがてその家を辞して、ぶらぶら向島の寺島村の堤にかかったのが、四時頃のことだ、秋の頃で戸外は未だ中々明るい、私が昼の膳に出してくれた、塩鰹が非常に好味といったので、その主人が、それなら、まだ残っているこの片身を持って行きたまえというので、それを新聞紙に包んでもらって、片手に提げながらやってくると、堤の上を二三町歩むか歩まぬ内突然、四辺が真暗に暮れてしまった、なんぼ秋の日は釣瓶落だと云ったって、今の先まで、あんなに明るかったものが、こんな急に、暗くなる道理はない、その時分には未だあの辺も開け... | どこで宴会がありましたか。 | 宴会は、京都の祇園の中村楼でありました。 |
JCRRAG_001036 | 国語 | やどなし犬
鈴木三重吉
一
むかし、アメリカの或小さな町に、人のいい、はたらきものの肉屋がいました。冬の半の或寒い朝のことでした。外は、ひどい風が雨を横なぐりにふきつけて、びゅうびゅうあれつづけています。人々は、こうもりのえにかたくつかまりながら、ころがるようなかっこうをして、つとめの場所へ出ていきます。肉屋は、店のわかいものたちと一しょに、かじかんだ手で、肉切ぼうちょうをといでいました。
すると、店のまえのたたきのところへ、一ぴきのやせた犬がびしょぬれになって、のそりのそりとやって来ました。そして、はげしいしぶきの中に、のこりとすわって、店先に下っている肉のかたまりを、じろじろ見上げていました。どこかのやどな... | 犬は何をぺろぺろなめましたか。 | 犬は、肉屋の左手の甲をぺろぺろなめました。 |
JCRRAG_001037 | 国語 | 黄金鳥
鈴木三重吉
一
貧乏な百姓の夫婦がいました。二人は子どもがたくさんあって、苦しいところへ、また一人、男の子が生れました。
けれども、そんなふうに家がひどく貧乏だものですから、人がいやがって、だれもその子の名附親になってくれるものがありませんでした。
夫婦はどうしたらいいかと、こまっていました。すると、或朝、一人のよぼよぼの乞食のじいさんが、ものをもらいに来ました。夫婦は、かわいそうだと思って、じぶんたちの食べるものを分けてやりました。
乞食のじいさんは、二人が、へんにしおしおしているのを見て、どうしたわけかと聞きました。二人は、生れた子どもの名附親になってくれる人がないから困っているところだと話しま... | 乞食のじいさんは、子どもに何と名前をつけましたか。 | 乞食のじいさんは、百姓の子どもに「ウイリイ」という名前をつけました。 |
JCRRAG_001038 | 国語 | 鳥について
砂東 塩
部屋に鳥がいる。
巣箱を模して五角形に曲げられたワイヤーの屋根部分には丸い輪があり、そこに紐を通して天井から吊り下げられ、ワイヤーとビーズで作られた鳥が重たげな体でとまっている。
ビーズは透明な赤、青、緑、黄の四色。ワイヤーをぐるぐる巻きにしたトンボの眼鏡のような直径一センチほどの目が赤い顔につけられていて、左右の目の位置が上下にずれているから正面から見ると酔っ払ったオヤジだ。太い嘴は青く、数が足りなかったのか赤いビーズがひとつだけ使われている。ずんぐりした胴体に比べて頼りない足。お尻に生えた十数本のワイヤーは長い尾羽。
私が鳥をもらったのは十年以上前になる。何度か店に来た客で、南アフリカに帰る... | ビーズはどんな色ですか。 | ビーズは透明な赤、青、緑、黄の四色です。 |
JCRRAG_001039 | 国語 | 湖水の女
鈴木三重吉
一
むかしむかし、或山の上にさびしい湖水がありました。その近くの村にギンという若ものが母親と二人でくらしていました。
或日ギンが、湖水のそばへ牛をつれていって、草を食べさせていますと、じきそばの水の中に、若い女の人が一人、ふうわりと立って、金の櫛で、しずかに髪をすいていました。下にはその顔が鏡にうつしたように、くっきりと水にうつっていました。それはそれは何とも言いようのない、うつくしい女でした。
ギンはしばらく立って見つめていました。そのうちに、何だか、じぶんのもっている、大麦でこしらえたパンとバタを、その女の人にやりたくなって、そっと、岸へ下りていきました。
女は間もなく、髪をすいて... | 若い女の人が髪をすいていた櫛はどんな櫛ですか。 | 若い女の人は、金の櫛でしずかに髪をすいていました。 |
JCRRAG_001040 | 国語 | 湖水の女
鈴木三重吉
一
むかしむかし、或山の上にさびしい湖水がありました。その近くの村にギンという若ものが母親と二人でくらしていました。
或日ギンが、湖水のそばへ牛をつれていって、草を食べさせていますと、じきそばの水の中に、若い女の人が一人、ふうわりと立って、金の櫛で、しずかに髪をすいていました。下にはその顔が鏡にうつしたように、くっきりと水にうつっていました。それはそれは何とも言いようのない、うつくしい女でした。
ギンはしばらく立って見つめていました。そのうちに、何だか、じぶんのもっている、大麦でこしらえたパンとバタを、その女の人にやりたくなって、そっと、岸へ下りていきました。
女は間もなく、髪をすいて... | 女を追って水に飛びこもうとしたギンをよびとめたのは誰ですか。 | 女を追って水に飛びこもうとしたギンをよびとめたのは、まっ白な髪をした品のいいおじいさんです。 |
JCRRAG_001041 | 国語 | 湖水の女
鈴木三重吉
一
むかしむかし、或山の上にさびしい湖水がありました。その近くの村にギンという若ものが母親と二人でくらしていました。
或日ギンが、湖水のそばへ牛をつれていって、草を食べさせていますと、じきそばの水の中に、若い女の人が一人、ふうわりと立って、金の櫛で、しずかに髪をすいていました。下にはその顔が鏡にうつしたように、くっきりと水にうつっていました。それはそれは何とも言いようのない、うつくしい女でした。
ギンはしばらく立って見つめていました。そのうちに、何だか、じぶんのもっている、大麦でこしらえたパンとバタを、その女の人にやりたくなって、そっと、岸へ下りていきました。
女は間もなく、髪をすいて... | 女の右の靴は、左と何がちがっていましたか。 | 女の右の靴は、左とひものむすびかたがちがっていました。 |
JCRRAG_001042 | 国語 | 湖水の女
鈴木三重吉
一
むかしむかし、或山の上にさびしい湖水がありました。その近くの村にギンという若ものが母親と二人でくらしていました。
或日ギンが、湖水のそばへ牛をつれていって、草を食べさせていますと、じきそばの水の中に、若い女の人が一人、ふうわりと立って、金の櫛で、しずかに髪をすいていました。下にはその顔が鏡にうつしたように、くっきりと水にうつっていました。それはそれは何とも言いようのない、うつくしい女でした。
ギンはしばらく立って見つめていました。そのうちに、何だか、じぶんのもっている、大麦でこしらえたパンとバタを、その女の人にやりたくなって、そっと、岸へ下りていきました。
女は間もなく、髪をすいて... | ギンは誰とくらしていましたか。 | ギンは母親と二人でくらしていました。 |
JCRRAG_001043 | 国語 | やどなし犬
鈴木三重吉
一
むかし、アメリカの或小さな町に、人のいい、はたらきものの肉屋がいました。冬の半の或寒い朝のことでした。外は、ひどい風が雨を横なぐりにふきつけて、びゅうびゅうあれつづけています。人々は、こうもりのえにかたくつかまりながら、ころがるようなかっこうをして、つとめの場所へ出ていきます。肉屋は、店のわかいものたちと一しょに、かじかんだ手で、肉切ぼうちょうをといでいました。
すると、店のまえのたたきのところへ、一ぴきのやせた犬がびしょぬれになって、のそりのそりとやって来ました。そして、はげしいしぶきの中に、のこりとすわって、店先に下っている肉のかたまりを、じろじろ見上げていました。どこかのやどな... | 犬がじろじろ見上げていたものは何ですか。 | 犬がじろじろ見上げていたものは、店先に下っている肉のかたまりです。 |
JCRRAG_001044 | 国語 | 湖水の女
鈴木三重吉
一
むかしむかし、或山の上にさびしい湖水がありました。その近くの村にギンという若ものが母親と二人でくらしていました。
或日ギンが、湖水のそばへ牛をつれていって、草を食べさせていますと、じきそばの水の中に、若い女の人が一人、ふうわりと立って、金の櫛で、しずかに髪をすいていました。下にはその顔が鏡にうつしたように、くっきりと水にうつっていました。それはそれは何とも言いようのない、うつくしい女でした。
ギンはしばらく立って見つめていました。そのうちに、何だか、じぶんのもっている、大麦でこしらえたパンとバタを、その女の人にやりたくなって、そっと、岸へ下りていきました。
女は間もなく、髪をすいて... | ギンは湖水のそばへ何をつれていきましたか。 | ギンは、湖水のそばへ牛をつれていきました。 |
JCRRAG_001045 | 国語 | 梟啼く
杉田久女
私には信光というたった一人の弟があった。鹿児島の平の馬場で生れた此弟が四つの年(その時は大垣にいた)の御月見の際女中が誤って三階のてすりから落し前額に四針も縫う様な大怪我をさせた上、かよわい体を大地に叩き付けた為め心臓を打ったのが原因でとうとう病身になってしまった。弟の全身には夏も冬も蚤の喰った痕の様な紫色のブチブチが出来、癇癪が非常に強くなって泣く度に歯の間から薄い水の様な血がにじみ出た。私達の髪をむしった。だけども其他の時にはほんとに聡明な優し味をもった誰にでも愛され易い好い子であった。五人の兄妹の一番すそではあったし厳格な父も信光だけは非常に愛していた。家中の者も皆此の病身ないじらしい弟をよく愛しいたわっ... | 信光に大怪我をさせたのは誰ですか。 | 信光は、女中に大怪我をさせられました。 |
JCRRAG_001046 | 国語 | 鳥について
砂東 塩
部屋に鳥がいる。
巣箱を模して五角形に曲げられたワイヤーの屋根部分には丸い輪があり、そこに紐を通して天井から吊り下げられ、ワイヤーとビーズで作られた鳥が重たげな体でとまっている。
ビーズは透明な赤、青、緑、黄の四色。ワイヤーをぐるぐる巻きにしたトンボの眼鏡のような直径一センチほどの目が赤い顔につけられていて、左右の目の位置が上下にずれているから正面から見ると酔っ払ったオヤジだ。太い嘴は青く、数が足りなかったのか赤いビーズがひとつだけ使われている。ずんぐりした胴体に比べて頼りない足。お尻に生えた十数本のワイヤーは長い尾羽。
私が鳥をもらったのは十年以上前になる。何度か店に来た客で、南アフリカに帰る... | 私が鳥をもらったのはいつですか。 | 私が鳥をもらったのは十年以上前です。 |
JCRRAG_001047 | 国語 | 狸問答
鈴木鼓村
私は、よく怪物に勝つことがあるよ、しかし或は負けていたのかもしれないがね――
数年前、さる家を訪ねて、昼飯の馳走に与って、やがてその家を辞して、ぶらぶら向島の寺島村の堤にかかったのが、四時頃のことだ、秋の頃で戸外は未だ中々明るい、私が昼の膳に出してくれた、塩鰹が非常に好味といったので、その主人が、それなら、まだ残っているこの片身を持って行きたまえというので、それを新聞紙に包んでもらって、片手に提げながらやってくると、堤の上を二三町歩むか歩まぬ内突然、四辺が真暗に暮れてしまった、なんぼ秋の日は釣瓶落だと云ったって、今の先まで、あんなに明るかったものが、こんな急に、暗くなる道理はない、その時分には未だあの辺も開け... | 私が向島の寺島村の堤にかかったのは何時頃でしたか。 | 私が向島の寺島村の堤にかかったのは、四時頃でした。 |
JCRRAG_001048 | 国語 | やどなし犬
鈴木三重吉
一
むかし、アメリカの或小さな町に、人のいい、はたらきものの肉屋がいました。冬の半の或寒い朝のことでした。外は、ひどい風が雨を横なぐりにふきつけて、びゅうびゅうあれつづけています。人々は、こうもりのえにかたくつかまりながら、ころがるようなかっこうをして、つとめの場所へ出ていきます。肉屋は、店のわかいものたちと一しょに、かじかんだ手で、肉切ぼうちょうをといでいました。
すると、店のまえのたたきのところへ、一ぴきのやせた犬がびしょぬれになって、のそりのそりとやって来ました。そして、はげしいしぶきの中に、のこりとすわって、店先に下っている肉のかたまりを、じろじろ見上げていました。どこかのやどな... | ひどい風が雨を横なぐりにふきつける寒い朝、一ぴきのやせた犬はどこへやって来ましたか。 | 一ぴきのやせた犬は、ひどい風が雨を横なぐりにふきつける寒い朝、店のまえのたたきのところへ、のそりのそりとやって来ました。 |
JCRRAG_001049 | 国語 | やどなし犬
鈴木三重吉
一
むかし、アメリカの或小さな町に、人のいい、はたらきものの肉屋がいました。冬の半の或寒い朝のことでした。外は、ひどい風が雨を横なぐりにふきつけて、びゅうびゅうあれつづけています。人々は、こうもりのえにかたくつかまりながら、ころがるようなかっこうをして、つとめの場所へ出ていきます。肉屋は、店のわかいものたちと一しょに、かじかんだ手で、肉切ぼうちょうをといでいました。
すると、店のまえのたたきのところへ、一ぴきのやせた犬がびしょぬれになって、のそりのそりとやって来ました。そして、はげしいしぶきの中に、のこりとすわって、店先に下っている肉のかたまりを、じろじろ見上げていました。どこかのやどな... | 一ぴきのやせた犬がびしょぬれになってやってきたあくる日はどんなお天気でしたか。 | 一ぴきのやせた犬がびしょぬれになってやってきたあくる日は、からりと晴れたいいお天気でした。 |
JCRRAG_001050 | 国語 | 白髪小僧
夢野久作
第一篇 赤おうむ
一 銀杏の樹
昔或る処に一人の乞食小僧が居りました。この小僧は生れ付きの馬鹿で、親も兄弟も何も無い本当の一人者で、夏も冬もボロボロの着物一枚切り、定った寝床さえありませんでしたが、唯名前ばかりは当り前の人よりもずっと沢山に持っておりました。
その第一の名前は白髪小僧というのでした。これはこの小僧の頭が雪のように白く輝いていたからです。
第二は万年小僧というので、これはこの小僧がいつから居るのかわかりませぬが、何でも余程昔からどんな年寄でも知らぬものは無いのにいつ見ても十六七の若々しい顔付きをしていたからです。又ニコニコ小僧というのは、この小僧がいつもニコニコしていたか... | 白髪小僧はどこで居睡りをしていましたか。 | 白髪小僧は、王様の居る都の街外れを流れる一つの川の縁に立っている大きな銀杏の樹の蔭で居睡りをしていました。 |
JCRRAG_001051 | 国語 | 狸問答
鈴木鼓村
私は、よく怪物に勝つことがあるよ、しかし或は負けていたのかもしれないがね――
数年前、さる家を訪ねて、昼飯の馳走に与って、やがてその家を辞して、ぶらぶら向島の寺島村の堤にかかったのが、四時頃のことだ、秋の頃で戸外は未だ中々明るい、私が昼の膳に出してくれた、塩鰹が非常に好味といったので、その主人が、それなら、まだ残っているこの片身を持って行きたまえというので、それを新聞紙に包んでもらって、片手に提げながらやってくると、堤の上を二三町歩むか歩まぬ内突然、四辺が真暗に暮れてしまった、なんぼ秋の日は釣瓶落だと云ったって、今の先まで、あんなに明るかったものが、こんな急に、暗くなる道理はない、その時分には未だあの辺も開け... | 私は何を新聞紙に包んでもらいましたか。 | 私は、塩鰹の片身を新聞紙に包んでもらいました。 |
JCRRAG_001052 | 国語 | 白髪小僧
夢野久作
第一篇 赤おうむ
一 銀杏の樹
昔或る処に一人の乞食小僧が居りました。この小僧は生れ付きの馬鹿で、親も兄弟も何も無い本当の一人者で、夏も冬もボロボロの着物一枚切り、定った寝床さえありませんでしたが、唯名前ばかりは当り前の人よりもずっと沢山に持っておりました。
その第一の名前は白髪小僧というのでした。これはこの小僧の頭が雪のように白く輝いていたからです。
第二は万年小僧というので、これはこの小僧がいつから居るのかわかりませぬが、何でも余程昔からどんな年寄でも知らぬものは無いのにいつ見ても十六七の若々しい顔付きをしていたからです。又ニコニコ小僧というのは、この小僧がいつもニコニコしていたか... | 家来が白髪小僧の眼の前に並べた水晶の鉢には、何が盛られていましたか。 | 宝石やお金が、水晶の鉢に山盛りに盛られていました。 |
JCRRAG_001053 | 国語 | 白髪小僧
夢野久作
第一篇 赤おうむ
一 銀杏の樹
昔或る処に一人の乞食小僧が居りました。この小僧は生れ付きの馬鹿で、親も兄弟も何も無い本当の一人者で、夏も冬もボロボロの着物一枚切り、定った寝床さえありませんでしたが、唯名前ばかりは当り前の人よりもずっと沢山に持っておりました。
その第一の名前は白髪小僧というのでした。これはこの小僧の頭が雪のように白く輝いていたからです。
第二は万年小僧というので、これはこの小僧がいつから居るのかわかりませぬが、何でも余程昔からどんな年寄でも知らぬものは無いのにいつ見ても十六七の若々しい顔付きをしていたからです。又ニコニコ小僧というのは、この小僧がいつもニコニコしていたか... | 皆から顔を見られた娘はどうしましたか。 | 皆から顔を見られた娘は、恥かしそうに口籠もりましたが、最後には思い切って懐から黒い表紙の書物を取り出し、「その訳はこの書物にすっかり書いてございます」と言いました。 |
JCRRAG_001054 | 国語 | 役人の頭
末弘厳太郎
一
子供の時からのくせで新聞を読むことが変に好きです。外国にいたときなど、むろん語学のまずいためでもあるが、どうかすると半日ぐらい新聞読みに時を費やしたことがあります。かつて高等学校にいたとき、ドイツ語の教科書としてヒルティーという人の『幸福論』なる本を読まされたことがあります。その中に新聞を読んではいけない、ことに朝一番頭のいいときに新聞のような雑駁なかつ平易なものを読むと一日中の仕事欲を害する、ということが書いてありました。非常に感心して同室者一同――私の部屋には変に頑強な男がそろっていたのですが――と申し合わせて、なんでも半年ぐらい新聞の購読を中止したことがありました。それでも新聞を読... | 私は何を読むのが好きですか。 | 私は新聞を読むのが好きです。 |
JCRRAG_001055 | 国語 | 役人の頭
末弘厳太郎
一
子供の時からのくせで新聞を読むことが変に好きです。外国にいたときなど、むろん語学のまずいためでもあるが、どうかすると半日ぐらい新聞読みに時を費やしたことがあります。かつて高等学校にいたとき、ドイツ語の教科書としてヒルティーという人の『幸福論』なる本を読まされたことがあります。その中に新聞を読んではいけない、ことに朝一番頭のいいときに新聞のような雑駁なかつ平易なものを読むと一日中の仕事欲を害する、ということが書いてありました。非常に感心して同室者一同――私の部屋には変に頑強な男がそろっていたのですが――と申し合わせて、なんでも半年ぐらい新聞の購読を中止したことがありました。それでも新聞を読... | このごろの新聞で特に私の注意をひくのは何ですか。 | 私の注意をひくのは、「人民の役人に対する不平」を記した記事の多さです。 |
JCRRAG_001056 | 国語 | 梟啼く
杉田久女
私には信光というたった一人の弟があった。鹿児島の平の馬場で生れた此弟が四つの年(その時は大垣にいた)の御月見の際女中が誤って三階のてすりから落し前額に四針も縫う様な大怪我をさせた上、かよわい体を大地に叩き付けた為め心臓を打ったのが原因でとうとう病身になってしまった。弟の全身には夏も冬も蚤の喰った痕の様な紫色のブチブチが出来、癇癪が非常に強くなって泣く度に歯の間から薄い水の様な血がにじみ出た。私達の髪をむしった。だけども其他の時にはほんとに聡明な優し味をもった誰にでも愛され易い好い子であった。五人の兄妹の一番すそではあったし厳格な父も信光だけは非常に愛していた。家中の者も皆此の病身ないじらしい弟をよく愛しいたわっ... | 信光は何人兄妹ですか。 | 信光は五人兄妹です。 |
JCRRAG_001057 | 国語 | 無人島に生きる十六人
須川邦彦
1
中川船長の話
これは、今から四十六年前、私が、東京高等商船学校の実習学生として、練習帆船琴ノ緒丸に乗り組んでいたとき、私たちの教官であった、中川倉吉先生からきいた、先生の体験談で、私が、腹のそこからかんげきした、一生わすれられない話である。
四十六年前といえば、明治三十六年、五月だった。私たちの琴ノ緒丸は、千葉県の館山湾に碇泊していた。
この船は、大きさ八百トンのシップ型で、甲板から、空高くつき立った、三本の太い帆柱には、五本ずつの長い帆桁が、とりつけてあった。
見あげる頭の上には、五本の帆桁が、一本に見えるほど、きちんとならんでいて、その先は、舷のそとに出ている。
船の後部に立っ... | 私が中川倉吉先生から体験談をきいたのは今から何年前ですか。 | 私は今から四十六年前、教官の中川倉吉先生から体験談をききました。 |
JCRRAG_001058 | 国語 | 梟啼く
杉田久女
私には信光というたった一人の弟があった。鹿児島の平の馬場で生れた此弟が四つの年(その時は大垣にいた)の御月見の際女中が誤って三階のてすりから落し前額に四針も縫う様な大怪我をさせた上、かよわい体を大地に叩き付けた為め心臓を打ったのが原因でとうとう病身になってしまった。弟の全身には夏も冬も蚤の喰った痕の様な紫色のブチブチが出来、癇癪が非常に強くなって泣く度に歯の間から薄い水の様な血がにじみ出た。私達の髪をむしった。だけども其他の時にはほんとに聡明な優し味をもった誰にでも愛され易い好い子であった。五人の兄妹の一番すそではあったし厳格な父も信光だけは非常に愛していた。家中の者も皆此の病身ないじらしい弟をよく愛しいたわっ... | 父が新領土に行かなければならなくなったのは何年ですか。 | 父が新領土に行かなければならなくなったのは、明治三十年です。 |
JCRRAG_001059 | 国語 | 梟啼く
杉田久女
私には信光というたった一人の弟があった。鹿児島の平の馬場で生れた此弟が四つの年(その時は大垣にいた)の御月見の際女中が誤って三階のてすりから落し前額に四針も縫う様な大怪我をさせた上、かよわい体を大地に叩き付けた為め心臓を打ったのが原因でとうとう病身になってしまった。弟の全身には夏も冬も蚤の喰った痕の様な紫色のブチブチが出来、癇癪が非常に強くなって泣く度に歯の間から薄い水の様な血がにじみ出た。私達の髪をむしった。だけども其他の時にはほんとに聡明な優し味をもった誰にでも愛され易い好い子であった。五人の兄妹の一番すそではあったし厳格な父も信光だけは非常に愛していた。家中の者も皆此の病身ないじらしい弟をよく愛しいたわっ... | 基隆の町で弟は何がほしいと言いましたか。 | 弟は、汽車の玩具がほしいと言いました。 |
JCRRAG_001060 | 国語 | 白髪小僧
夢野久作
第一篇 赤おうむ
一 銀杏の樹
昔或る処に一人の乞食小僧が居りました。この小僧は生れ付きの馬鹿で、親も兄弟も何も無い本当の一人者で、夏も冬もボロボロの着物一枚切り、定った寝床さえありませんでしたが、唯名前ばかりは当り前の人よりもずっと沢山に持っておりました。
その第一の名前は白髪小僧というのでした。これはこの小僧の頭が雪のように白く輝いていたからです。
第二は万年小僧というので、これはこの小僧がいつから居るのかわかりませぬが、何でも余程昔からどんな年寄でも知らぬものは無いのにいつ見ても十六七の若々しい顔付きをしていたからです。又ニコニコ小僧というのは、この小僧がいつもニコニコしていたか... | 川を浮きつ沈みつ流れて行ったのは誰ですか。 | 川を浮きつ沈みつ流れて行ったのは、一冊の本を持った、どこかの美しいお嬢さんです。 |
JCRRAG_001061 | 国語 | 無人島に生きる十六人
須川邦彦
1
中川船長の話
これは、今から四十六年前、私が、東京高等商船学校の実習学生として、練習帆船琴ノ緒丸に乗り組んでいたとき、私たちの教官であった、中川倉吉先生からきいた、先生の体験談で、私が、腹のそこからかんげきした、一生わすれられない話である。
四十六年前といえば、明治三十六年、五月だった。私たちの琴ノ緒丸は、千葉県の館山湾に碇泊していた。
この船は、大きさ八百トンのシップ型で、甲板から、空高くつき立った、三本の太い帆柱には、五本ずつの長い帆桁が、とりつけてあった。
見あげる頭の上には、五本の帆桁が、一本に見えるほど、きちんとならんでいて、その先は、舷のそとに出ている。
船の後部に立っ... | 明治三十六年の五月、琴ノ緒丸が碇泊していたのは、どこですか。 | 明治三十六年の五月に琴ノ緒丸が碇泊していたのは、千葉県の館山湾です。 |
JCRRAG_001062 | 国語 | 無人島に生きる十六人
須川邦彦
1
中川船長の話
これは、今から四十六年前、私が、東京高等商船学校の実習学生として、練習帆船琴ノ緒丸に乗り組んでいたとき、私たちの教官であった、中川倉吉先生からきいた、先生の体験談で、私が、腹のそこからかんげきした、一生わすれられない話である。
四十六年前といえば、明治三十六年、五月だった。私たちの琴ノ緒丸は、千葉県の館山湾に碇泊していた。
この船は、大きさ八百トンのシップ型で、甲板から、空高くつき立った、三本の太い帆柱には、五本ずつの長い帆桁が、とりつけてあった。
見あげる頭の上には、五本の帆桁が、一本に見えるほど、きちんとならんでいて、その先は、舷のそとに出ている。
船の後部に立っ... | 中川教官はどんなからだつきですか。 | 中川教官は、丈は高くはないが、がっちりしたからだつきです。 |
JCRRAG_001063 | 国語 | 無人島に生きる十六人
須川邦彦
1
中川船長の話
これは、今から四十六年前、私が、東京高等商船学校の実習学生として、練習帆船琴ノ緒丸に乗り組んでいたとき、私たちの教官であった、中川倉吉先生からきいた、先生の体験談で、私が、腹のそこからかんげきした、一生わすれられない話である。
四十六年前といえば、明治三十六年、五月だった。私たちの琴ノ緒丸は、千葉県の館山湾に碇泊していた。
この船は、大きさ八百トンのシップ型で、甲板から、空高くつき立った、三本の太い帆柱には、五本ずつの長い帆桁が、とりつけてあった。
見あげる頭の上には、五本の帆桁が、一本に見えるほど、きちんとならんでいて、その先は、舷のそとに出ている。
船の後部に立っ... | 報効義会の会長は誰ですか。 | 報効義会の会長は、郡司成忠会長です。 |
JCRRAG_001064 | 国語 | 無人島に生きる十六人
須川邦彦
1
中川船長の話
これは、今から四十六年前、私が、東京高等商船学校の実習学生として、練習帆船琴ノ緒丸に乗り組んでいたとき、私たちの教官であった、中川倉吉先生からきいた、先生の体験談で、私が、腹のそこからかんげきした、一生わすれられない話である。
四十六年前といえば、明治三十六年、五月だった。私たちの琴ノ緒丸は、千葉県の館山湾に碇泊していた。
この船は、大きさ八百トンのシップ型で、甲板から、空高くつき立った、三本の太い帆柱には、五本ずつの長い帆桁が、とりつけてあった。
見あげる頭の上には、五本の帆桁が、一本に見えるほど、きちんとならんでいて、その先は、舷のそとに出ている。
船の後部に立っ... | 琴ノ緒丸は何トンでしたか。 | 琴ノ緒丸は、八百トンでした。 |
JCRRAG_001065 | 国語 | 役人の頭
末弘厳太郎
一
子供の時からのくせで新聞を読むことが変に好きです。外国にいたときなど、むろん語学のまずいためでもあるが、どうかすると半日ぐらい新聞読みに時を費やしたことがあります。かつて高等学校にいたとき、ドイツ語の教科書としてヒルティーという人の『幸福論』なる本を読まされたことがあります。その中に新聞を読んではいけない、ことに朝一番頭のいいときに新聞のような雑駁なかつ平易なものを読むと一日中の仕事欲を害する、ということが書いてありました。非常に感心して同室者一同――私の部屋には変に頑強な男がそろっていたのですが――と申し合わせて、なんでも半年ぐらい新聞の購読を中止したことがありました。それでも新聞を読... | 高等学校にいたときにドイツ語の教科書として読まされた本は何ですか。 | 高等学校にいたときにドイツ語の教科書として読まされた本は、ヒルティーの『幸福論』です。 |
JCRRAG_001066 | 国語 | 白髪小僧
夢野久作
第一篇 赤おうむ
一 銀杏の樹
昔或る処に一人の乞食小僧が居りました。この小僧は生れ付きの馬鹿で、親も兄弟も何も無い本当の一人者で、夏も冬もボロボロの着物一枚切り、定った寝床さえありませんでしたが、唯名前ばかりは当り前の人よりもずっと沢山に持っておりました。
その第一の名前は白髪小僧というのでした。これはこの小僧の頭が雪のように白く輝いていたからです。
第二は万年小僧というので、これはこの小僧がいつから居るのかわかりませぬが、何でも余程昔からどんな年寄でも知らぬものは無いのにいつ見ても十六七の若々しい顔付きをしていたからです。又ニコニコ小僧というのは、この小僧がいつもニコニコしていたか... | 白髪小僧はなぜ白髪小僧という名前でしたか。 | 白髪小僧という名前なのは、白髪小僧の頭が、雪のように白く輝いていたからです。 |
JCRRAG_001067 | 国語 | 役人の頭
末弘厳太郎
一
子供の時からのくせで新聞を読むことが変に好きです。外国にいたときなど、むろん語学のまずいためでもあるが、どうかすると半日ぐらい新聞読みに時を費やしたことがあります。かつて高等学校にいたとき、ドイツ語の教科書としてヒルティーという人の『幸福論』なる本を読まされたことがあります。その中に新聞を読んではいけない、ことに朝一番頭のいいときに新聞のような雑駁なかつ平易なものを読むと一日中の仕事欲を害する、ということが書いてありました。非常に感心して同室者一同――私の部屋には変に頑強な男がそろっていたのですが――と申し合わせて、なんでも半年ぐらい新聞の購読を中止したことがありました。それでも新聞を読... | 私の部屋には、どんな男がそろっていましたか。 | 私の部屋には、変に頑強な男がそろっていました。 |
JCRRAG_001068 | 国語 | 梟啼く
杉田久女
私には信光というたった一人の弟があった。鹿児島の平の馬場で生れた此弟が四つの年(その時は大垣にいた)の御月見の際女中が誤って三階のてすりから落し前額に四針も縫う様な大怪我をさせた上、かよわい体を大地に叩き付けた為め心臓を打ったのが原因でとうとう病身になってしまった。弟の全身には夏も冬も蚤の喰った痕の様な紫色のブチブチが出来、癇癪が非常に強くなって泣く度に歯の間から薄い水の様な血がにじみ出た。私達の髪をむしった。だけども其他の時にはほんとに聡明な優し味をもった誰にでも愛され易い好い子であった。五人の兄妹の一番すそではあったし厳格な父も信光だけは非常に愛していた。家中の者も皆此の病身ないじらしい弟をよく愛しいたわっ... | 弟は何を楽しみにしていましたか。 | 弟は、私が其日学校で習って来た唱歌や本のお咄を聞くのを、何より楽しみにしていました。 |
JCRRAG_001069 | 国語 | イギリスで、わたしの心をもっとも楽しく魅惑するのは、昔から伝わっている祭日のならわしと田舎の遊びごとである。そういうものを見て、わたしが思いおこすのは、まだ若かったころに、わたしの空想がえがいた数々の絵である。あのころ、わたしは世界というものを書物を通してしか知らなかったし、世界は詩人たちがえがいた通りのものだと信じこんでいた。そしてさらに、その絵といっしょに、純朴だった昔の日々の香りがもどってくる。そして、やはりおなじ間違いかもしれないが、そのころ世間のひとびとは今よりずっと素朴で、親しみぶかく、そして嬉々としていたように思う。残念なことに、そういうものは日毎にかすかになってくるのである。時がたつにしたがって次第に擦りへらされるだ... | クリスマスのころの教会の礼拝は、どのようなものですか。 | クリスマスのころの教会の礼拝は、たいへん優美で感動的です。 |
JCRRAG_001070 | 国語 | 鳥について
砂東 塩
部屋に鳥がいる。
巣箱を模して五角形に曲げられたワイヤーの屋根部分には丸い輪があり、そこに紐を通して天井から吊り下げられ、ワイヤーとビーズで作られた鳥が重たげな体でとまっている。
ビーズは透明な赤、青、緑、黄の四色。ワイヤーをぐるぐる巻きにしたトンボの眼鏡のような直径一センチほどの目が赤い顔につけられていて、左右の目の位置が上下にずれているから正面から見ると酔っ払ったオヤジだ。太い嘴は青く、数が足りなかったのか赤いビーズがひとつだけ使われている。ずんぐりした胴体に比べて頼りない足。お尻に生えた十数本のワイヤーは長い尾羽。
私が鳥をもらったのは十年以上前になる。何度か店に来た客で、南アフリカに帰る... | 鳥は、天井のライトを点けるとどのように見えますか。 | 鳥は、天井のライトを点けると、南国にいる原色の鳥のように見えます。 |
JCRRAG_001071 | 国語 | 役人の頭
末弘厳太郎
一
子供の時からのくせで新聞を読むことが変に好きです。外国にいたときなど、むろん語学のまずいためでもあるが、どうかすると半日ぐらい新聞読みに時を費やしたことがあります。かつて高等学校にいたとき、ドイツ語の教科書としてヒルティーという人の『幸福論』なる本を読まされたことがあります。その中に新聞を読んではいけない、ことに朝一番頭のいいときに新聞のような雑駁なかつ平易なものを読むと一日中の仕事欲を害する、ということが書いてありました。非常に感心して同室者一同――私の部屋には変に頑強な男がそろっていたのですが――と申し合わせて、なんでも半年ぐらい新聞の購読を中止したことがありました。それでも新聞を読... | 税関の役人が没収した絵は何ですか。 | 税関の役人が没収した絵は、ボッチッチェリーの「春」(Primavera)です。 |
JCRRAG_001072 | 国語 | 前にタマヨの絵を美術雑誌の原色版で見てそのまか不思議な色彩にひどく惹かれました。
それ以来私は何が何でもタマヨのファンになってしまいました。タマヨのよく使う発酵した様な異様な黄色や紫や桃色にひきつけられたのです。今度のメキシコ展で民芸品の部屋に足をふみ入れると私は“これだ。タマヨの色は”と思いました。民芸品の切り紙も人形も皆タマヨのあの魅力的な紫色や桃色なのでした。これはメキシコの現代絵画のすべてに言えることなのですが、何千年も昔の土偶の形態も民芸品のネンドの人形の色も皆現代絵画の中にそのまま生きていて彼等の激しい力と情熱を語る強力な言葉になっているのです。
全くメキシコの絵画は彼等の言葉で彼等の問題を精一杯に叫んでいます。それ故に... | 日本の現代絵画は何とは何の関係もないところで描かれているのですか。 | 日本の現代絵画は日本の国や日本の多くの人々とは何の関係もないところで描かれています。 |
JCRRAG_001073 | 国語 | 男爵には一人の娘があるだけだった。しかし、自然は一人の子供しかさずけない場合には、きっとその償いにその子を非凡なものにするのだが、この男爵の娘もその通りだった。乳母たちも、噂好きな人たちも、田舎の親戚たちも、みんなが彼女の父親に断言して、美しさにかけてはドイツじゅうで彼女にならぶものはない、と言ったのである。いったいこの人たちより、ものをよく知っている人がほかにいるだろうか。そのうえ、彼女は二人の独身の叔母の監督のもとに、たいへん気をつけて育てられた。その叔母たちは若いころ数年間ドイツのある小さな宮廷にすごし、立派な貴婦人を教育するためになくてはならないあらゆる方面の知識に通じていた。この叔母たちの薫陶をうけて、彼女の才芸はおどろく... | 男爵の娘は美しさにかけてはどこでならぶものはないと言われていましたか。 | 男爵の娘は美しさにかけてはドイツじゅうでならぶものはないと言われていました。 |
JCRRAG_001074 | 国語 | 男爵には一人の娘があるだけだった。しかし、自然は一人の子供しかさずけない場合には、きっとその償いにその子を非凡なものにするのだが、この男爵の娘もその通りだった。乳母たちも、噂好きな人たちも、田舎の親戚たちも、みんなが彼女の父親に断言して、美しさにかけてはドイツじゅうで彼女にならぶものはない、と言ったのである。いったいこの人たちより、ものをよく知っている人がほかにいるだろうか。そのうえ、彼女は二人の独身の叔母の監督のもとに、たいへん気をつけて育てられた。その叔母たちは若いころ数年間ドイツのある小さな宮廷にすごし、立派な貴婦人を教育するためになくてはならないあらゆる方面の知識に通じていた。この叔母たちの薫陶をうけて、彼女の才芸はおどろく... | 男爵の娘は誰の監督のもとに、たいへん気をつけて育てられましたか。 | 男爵の娘は二人の独身の叔母の監督のもとに、たいへん気をつけて育てられました。 |
JCRRAG_001075 | 国語 | 私は母の愛というものについて考える。カーライルの、母の愛ほど尊いものはないと言っているが、私も母の愛ほど尊いものはないと思う。子供のためには自分の全てを犠牲にして尽すという愛の一面に、自分の子供を真直に、正直に、善良に育てていくという厳しい、鋭い眼がある。この二つの感情から結ばれた母の愛より大きなものはないと思う。しかし世の中には子供に対して責任感の薄い母も多い。が、そういう者は例外として、真に子供のために尽した母に対してはその子供は永久にその愛を忘れる事が出来ない。そして、子供は生長して社会に立つようになっても、母から言い含められた教訓を思えば、如何なる場合にも悪事を為し得ないのは事実である。何時も母の涙の光った眼が自分の上に注... | 母と子の愛は、どの愛よりも尊いのですか。 | 母と子の愛は、男と女の愛よりも尊いです。 |
JCRRAG_001076 | 国語 | 私は母の愛というものについて考える。カーライルの、母の愛ほど尊いものはないと言っているが、私も母の愛ほど尊いものはないと思う。子供のためには自分の全てを犠牲にして尽すという愛の一面に、自分の子供を真直に、正直に、善良に育てていくという厳しい、鋭い眼がある。この二つの感情から結ばれた母の愛より大きなものはないと思う。しかし世の中には子供に対して責任感の薄い母も多い。が、そういう者は例外として、真に子供のために尽した母に対してはその子供は永久にその愛を忘れる事が出来ない。そして、子供は生長して社会に立つようになっても、母から言い含められた教訓を思えば、如何なる場合にも悪事を為し得ないのは事実である。何時も母の涙の光った眼が自分の上に注... | カーライルは誰の愛ほど尊いものはないと言っていますか。 | カーライルは「母の愛ほど尊いものはない」と言っています。 |
JCRRAG_001077 | 国語 | 私は母の愛というものについて考える。カーライルの、母の愛ほど尊いものはないと言っているが、私も母の愛ほど尊いものはないと思う。子供のためには自分の全てを犠牲にして尽すという愛の一面に、自分の子供を真直に、正直に、善良に育てていくという厳しい、鋭い眼がある。この二つの感情から結ばれた母の愛より大きなものはないと思う。しかし世の中には子供に対して責任感の薄い母も多い。が、そういう者は例外として、真に子供のために尽した母に対してはその子供は永久にその愛を忘れる事が出来ない。そして、子供は生長して社会に立つようになっても、母から言い含められた教訓を思えば、如何なる場合にも悪事を為し得ないのは事実である。何時も母の涙の光った眼が自分の上に注... | 母を信じるのは子供にとって誰を信じることよりも深く、強いものですか。 | 母を信じるのは、子供にとって神を信じることよりも深く、強いものです。 |
JCRRAG_001078 | 国語 | 私は母の愛というものについて考える。カーライルの、母の愛ほど尊いものはないと言っているが、私も母の愛ほど尊いものはないと思う。子供のためには自分の全てを犠牲にして尽すという愛の一面に、自分の子供を真直に、正直に、善良に育てていくという厳しい、鋭い眼がある。この二つの感情から結ばれた母の愛より大きなものはないと思う。しかし世の中には子供に対して責任感の薄い母も多い。が、そういう者は例外として、真に子供のために尽した母に対してはその子供は永久にその愛を忘れる事が出来ない。そして、子供は生長して社会に立つようになっても、母から言い含められた教訓を思えば、如何なる場合にも悪事を為し得ないのは事実である。何時も母の涙の光った眼が自分の上に注... | 子供心に信仰をもたしめるものは、何の感化であると述べていますか。 | 子供心に信仰をもたしめるものは、全く母の感化です。 |
JCRRAG_001079 | 国語 | 男爵には一人の娘があるだけだった。しかし、自然は一人の子供しかさずけない場合には、きっとその償いにその子を非凡なものにするのだが、この男爵の娘もその通りだった。乳母たちも、噂好きな人たちも、田舎の親戚たちも、みんなが彼女の父親に断言して、美しさにかけてはドイツじゅうで彼女にならぶものはない、と言ったのである。いったいこの人たちより、ものをよく知っている人がほかにいるだろうか。そのうえ、彼女は二人の独身の叔母の監督のもとに、たいへん気をつけて育てられた。その叔母たちは若いころ数年間ドイツのある小さな宮廷にすごし、立派な貴婦人を教育するためになくてはならないあらゆる方面の知識に通じていた。この叔母たちの薫陶をうけて、彼女の才芸はおどろく... | 男爵の娘はどんな民謡をすべて暗唱していましたか。 | 男爵の娘は恋愛詩人がうたうあまい民謡をすべて暗唱していました。 |
JCRRAG_001080 | 国語 | 今朝の夢・大きな象が
田井田かわず
散らかった部屋の床に布団を敷いて寝ていると、夢見心地に何かの音が聞こえた気がした。意識を持ちあげて耳をすましてみると、どうやら気のせいというわけでも、夢の中というわけでも無いようだ。
興味をそそられて、私にしては珍しく果敢に布団から起き出し、ダイニングに居た父に声をかけた。
「父さん、これ何の音?」
トランペットとか、ああいったたぐいの楽器をとりあえず思いっきり吹いてみたような音、と言えば伝わるかどうかは分からないが、とりあえずそういう音が遠くから何かの信号のように響いている。父はただ、窓の外を眺めながら呟いた。
「さぁ、なんだろな」
音の出所はハッキリしているようで、家からは長い坂を下... | 街は何に踏み荒らされたのですか。 | 街は三頭の巨大な像に踏み荒らされました。 |
JCRRAG_001081 | 国語 | イギリスで、わたしの心をもっとも楽しく魅惑するのは、昔から伝わっている祭日のならわしと田舎の遊びごとである。そういうものを見て、わたしが思いおこすのは、まだ若かったころに、わたしの空想がえがいた数々の絵である。あのころ、わたしは世界というものを書物を通してしか知らなかったし、世界は詩人たちがえがいた通りのものだと信じこんでいた。そしてさらに、その絵といっしょに、純朴だった昔の日々の香りがもどってくる。そして、やはりおなじ間違いかもしれないが、そのころ世間のひとびとは今よりずっと素朴で、親しみぶかく、そして嬉々としていたように思う。残念なことに、そういうものは日毎にかすかになってくるのである。時がたつにしたがって次第に擦りへらされるだ... | さまざまの古い祭のなかでも、何の祝いは、最も強いしみじみした連想を目ざめさせますか。 | さまざまの古い祭のなかでも、クリスマスの祝いは、最も強いしみじみした連想を目ざめさせます。 |
JCRRAG_001082 | 国語 | 季節そのものも、クリスマスの祝いに魅力をそえる。ほかの季節には、わたしたちはほとんど大部分の愉しみを自然の美しさから得るのである。わたしたちの心は戸外に飛びだし、陽ざしの暖かい自然のなかで気を晴らすのだ。わたしたちは「野外のいたるところに生きる」のである。鳥の歌、小川のささやき、息吹いている春の香り、やわらかい夏の官能、黄金色の秋の盛観、さわやかな緑の衣をつけた大地、爽快な紺碧の大空、そしてまた豪華な雲が群がる空。すべてがわたしたちの心を、沈黙のまま、なんともいえぬ歓喜で満たし、わたしたちは、尽きぬ感覚の逸楽にひたるのだ。しかし、冬が深くなり、自然があらゆる魅力をうばわれて、一面に雪の経帷子につつまれると、わたしたちは心の満足を精神... | 冬が深くなり、自然があらゆる魅力をうばわれて、一面に雪の経帷子につつまれると、わたしたちは心の満足を何にもとめるようになりますか。 | 冬が深くなり、自然があらゆる魅力をうばわれて、一面に雪の経帷子につつまれると、わたしたちは心の満足を精神的な源にもとめるようになります。 |
JCRRAG_001083 | 国語 | 季節そのものも、クリスマスの祝いに魅力をそえる。ほかの季節には、わたしたちはほとんど大部分の愉しみを自然の美しさから得るのである。わたしたちの心は戸外に飛びだし、陽ざしの暖かい自然のなかで気を晴らすのだ。わたしたちは「野外のいたるところに生きる」のである。鳥の歌、小川のささやき、息吹いている春の香り、やわらかい夏の官能、黄金色の秋の盛観、さわやかな緑の衣をつけた大地、爽快な紺碧の大空、そしてまた豪華な雲が群がる空。すべてがわたしたちの心を、沈黙のまま、なんともいえぬ歓喜で満たし、わたしたちは、尽きぬ感覚の逸楽にひたるのだ。しかし、冬が深くなり、自然があらゆる魅力をうばわれて、一面に雪の経帷子につつまれると、わたしたちは心の満足を精神... | どうして炉の火があたたかく輝いている部屋にはいると、心はのびのびとふくらむのですか。 | 夜は戸外が真暗で陰鬱なので、炉の火があたたかく輝いている部屋にはいると、心はのびのびとふくらみます。 |
JCRRAG_001084 | 国語 | 現代の洗練された風習がもたらした最も快からぬことは、心のこもった昔ながらの休日のならわしをうちこわしてしまったことだ。この現代の進歩のために、このような生活の装飾物の鮮明な鑿のあとはなくなり、その活気のある浮彫は取り去られてしまった。世の中はむかしよりいっそう滑らかになり磨きあげられたが、その表面はあきらかにこれという特徴のないものになった。クリスマスの遊戯や儀式の多くは全く消滅してしまい、フォールスタフ老人のスペイン産白葡萄酒のように、いたずらに註釈者の研究や論争の材料になってしまった。これらの遊戯や儀式が栄えた時代は、元気と活力が汪溢していて、ひとびとの人生のたのしみ方は粗野だったが、心のそこから元気いっぱいにやったのだ。そのこ... | 現代の洗練された風習がもたらした最も快からぬこととは、どのようなことですか。 | 現代の洗練された風習がもたらした最も快からぬことは、心のこもった昔ながらの休日のならわしをうちこわしてしまったことです。 |
JCRRAG_001085 | 国語 | 季節そのものも、クリスマスの祝いに魅力をそえる。ほかの季節には、わたしたちはほとんど大部分の愉しみを自然の美しさから得るのである。わたしたちの心は戸外に飛びだし、陽ざしの暖かい自然のなかで気を晴らすのだ。わたしたちは「野外のいたるところに生きる」のである。鳥の歌、小川のささやき、息吹いている春の香り、やわらかい夏の官能、黄金色の秋の盛観、さわやかな緑の衣をつけた大地、爽快な紺碧の大空、そしてまた豪華な雲が群がる空。すべてがわたしたちの心を、沈黙のまま、なんともいえぬ歓喜で満たし、わたしたちは、尽きぬ感覚の逸楽にひたるのだ。しかし、冬が深くなり、自然があらゆる魅力をうばわれて、一面に雪の経帷子につつまれると、わたしたちは心の満足を精神... | ひとびとはどんなことをして冬の夜ながをすごしたのですか。 | ひとびとは通りがかりの人はだれでも招き、かけがねをあけ、炉のまわりに集って世間話をしている人の群に加わり、古くからの滑稽な話や、なんどもくりかえされたクリスマスの物語に興じて、冬の夜ながをすごしました。 |
JCRRAG_001086 | 国語 | 現代の洗練された風習がもたらした最も快からぬことは、心のこもった昔ながらの休日のならわしをうちこわしてしまったことだ。この現代の進歩のために、このような生活の装飾物の鮮明な鑿のあとはなくなり、その活気のある浮彫は取り去られてしまった。世の中はむかしよりいっそう滑らかになり磨きあげられたが、その表面はあきらかにこれという特徴のないものになった。クリスマスの遊戯や儀式の多くは全く消滅してしまい、フォールスタフ老人のスペイン産白葡萄酒のように、いたずらに註釈者の研究や論争の材料になってしまった。これらの遊戯や儀式が栄えた時代は、元気と活力が汪溢していて、ひとびとの人生のたのしみ方は粗野だったが、心のそこから元気いっぱいにやったのだ。そのこ... | 世の中はむかしよりいっそう滑らかになり磨きあげられたものの、どのようなものになりましたか。 | 世の中はむかしよりいっそう滑らかになり磨きあげられましたが、その表面はあきらかにこれという特徴のないものになりました。 |
JCRRAG_001087 | 国語 | 現代の洗練された風習がもたらした最も快からぬことは、心のこもった昔ながらの休日のならわしをうちこわしてしまったことだ。この現代の進歩のために、このような生活の装飾物の鮮明な鑿のあとはなくなり、その活気のある浮彫は取り去られてしまった。世の中はむかしよりいっそう滑らかになり磨きあげられたが、その表面はあきらかにこれという特徴のないものになった。クリスマスの遊戯や儀式の多くは全く消滅してしまい、フォールスタフ老人のスペイン産白葡萄酒のように、いたずらに註釈者の研究や論争の材料になってしまった。これらの遊戯や儀式が栄えた時代は、元気と活力が汪溢していて、ひとびとの人生のたのしみ方は粗野だったが、心のそこから元気いっぱいにやったのだ。そのこ... | 昔の祭礼の面目がなくなったとはいっても、どこではクリスマスは今もなお楽しく心がおどるときですか。 | 昔の祭礼の面目がなくなったとはいっても、イギリスではクリスマスは今もなお楽しく心がおどるときです。 |
JCRRAG_001088 | 国語 | 現代の洗練された風習がもたらした最も快からぬことは、心のこもった昔ながらの休日のならわしをうちこわしてしまったことだ。この現代の進歩のために、このような生活の装飾物の鮮明な鑿のあとはなくなり、その活気のある浮彫は取り去られてしまった。世の中はむかしよりいっそう滑らかになり磨きあげられたが、その表面はあきらかにこれという特徴のないものになった。クリスマスの遊戯や儀式の多くは全く消滅してしまい、フォールスタフ老人のスペイン産白葡萄酒のように、いたずらに註釈者の研究や論争の材料になってしまった。これらの遊戯や儀式が栄えた時代は、元気と活力が汪溢していて、ひとびとの人生のたのしみ方は粗野だったが、心のそこから元気いっぱいにやったのだ。そのこ... | 家庭的感情が湧きおこって、強い力をもつのは、誰の胸の中ですか。 | 家庭的感情が湧きおこって、強い力をもつのは、あらゆるイギリス人の胸の中です。 |
JCRRAG_001089 | 国語 | 前にタマヨの絵を美術雑誌の原色版で見てそのまか不思議な色彩にひどく惹かれました。
それ以来私は何が何でもタマヨのファンになってしまいました。タマヨのよく使う発酵した様な異様な黄色や紫や桃色にひきつけられたのです。今度のメキシコ展で民芸品の部屋に足をふみ入れると私は“これだ。タマヨの色は”と思いました。民芸品の切り紙も人形も皆タマヨのあの魅力的な紫色や桃色なのでした。これはメキシコの現代絵画のすべてに言えることなのですが、何千年も昔の土偶の形態も民芸品のネンドの人形の色も皆現代絵画の中にそのまま生きていて彼等の激しい力と情熱を語る強力な言葉になっているのです。
全くメキシコの絵画は彼等の言葉で彼等の問題を精一杯に叫んでいます。それ故に... | 私は誰のファンになってしまいましたか。 | 私はタマヨのファンになってしまいました。 |
JCRRAG_001090 | 国語 | 前にタマヨの絵を美術雑誌の原色版で見てそのまか不思議な色彩にひどく惹かれました。
それ以来私は何が何でもタマヨのファンになってしまいました。タマヨのよく使う発酵した様な異様な黄色や紫や桃色にひきつけられたのです。今度のメキシコ展で民芸品の部屋に足をふみ入れると私は“これだ。タマヨの色は”と思いました。民芸品の切り紙も人形も皆タマヨのあの魅力的な紫色や桃色なのでした。これはメキシコの現代絵画のすべてに言えることなのですが、何千年も昔の土偶の形態も民芸品のネンドの人形の色も皆現代絵画の中にそのまま生きていて彼等の激しい力と情熱を語る強力な言葉になっているのです。
全くメキシコの絵画は彼等の言葉で彼等の問題を精一杯に叫んでいます。それ故に... | メキシコの現代絵画のすべてに言えることとは何ですか。 | メキシコの現代絵画のすべてに言えることは、何千年も昔の土偶の形態も民芸品のネンドの人形の色も皆現代絵画の中にそのまま生きていて彼等の激しい力と情熱を語る強力な言葉になっていることです。 |
JCRRAG_001091 | 国語 | 前にタマヨの絵を美術雑誌の原色版で見てそのまか不思議な色彩にひどく惹かれました。
それ以来私は何が何でもタマヨのファンになってしまいました。タマヨのよく使う発酵した様な異様な黄色や紫や桃色にひきつけられたのです。今度のメキシコ展で民芸品の部屋に足をふみ入れると私は“これだ。タマヨの色は”と思いました。民芸品の切り紙も人形も皆タマヨのあの魅力的な紫色や桃色なのでした。これはメキシコの現代絵画のすべてに言えることなのですが、何千年も昔の土偶の形態も民芸品のネンドの人形の色も皆現代絵画の中にそのまま生きていて彼等の激しい力と情熱を語る強力な言葉になっているのです。
全くメキシコの絵画は彼等の言葉で彼等の問題を精一杯に叫んでいます。それ故に... | 民芸品の切り紙や人形はどんな色でしたか。 | 民芸品の切り紙や人形は皆タマヨのあの魅力的な紫色や桃色でした。 |
JCRRAG_001092 | 国語 | 前にタマヨの絵を美術雑誌の原色版で見てそのまか不思議な色彩にひどく惹かれました。
それ以来私は何が何でもタマヨのファンになってしまいました。タマヨのよく使う発酵した様な異様な黄色や紫や桃色にひきつけられたのです。今度のメキシコ展で民芸品の部屋に足をふみ入れると私は“これだ。タマヨの色は”と思いました。民芸品の切り紙も人形も皆タマヨのあの魅力的な紫色や桃色なのでした。これはメキシコの現代絵画のすべてに言えることなのですが、何千年も昔の土偶の形態も民芸品のネンドの人形の色も皆現代絵画の中にそのまま生きていて彼等の激しい力と情熱を語る強力な言葉になっているのです。
全くメキシコの絵画は彼等の言葉で彼等の問題を精一杯に叫んでいます。それ故に... | メキシコの絵画は彼等の言葉で何を叫んでいますか。 | メキシコの絵画は彼等の言葉で彼等の問題を精一杯に叫んでいます。 |
JCRRAG_001093 | 国語 | ハドソン河の河幅がひろがり、むかしオランダ人の航海者がタッパン・ジーと名づけていたところでは、彼らは用心していつでも帆をちぢめ、航海者の守り、聖ニコラスに加護をねがいながら、横断したものだ。そこの東側の岸にくいこんでいる広い入江の奥に、小さな市場か田舎の港といったような町があり、ある人たちはグリーンズバラと呼んでいるが、本来はタリー・タウン(ぶらつき町)という名が正しく、また普通にはその名で知られている。聞くところによれば、この名は、そのむかしこの近隣の女房たちがつけたもので、市場のひらかれる日に亭主連が村の居酒屋のあたりをぶらついてはなれない頑固な癖があったからだという。それはともかくとして、わたしはこの事実の真偽のほどはうけあわ... | 東側の岸にくいこんでいる広い入江の奥に、小さな市場か田舎の港といったような町がありますが、本来の正しい名前は何ですか。 | 東側の岸にくいこんでいる広い入江の奥に、小さな市場か田舎の港といったような町の本来の正しい名前はタリー・タウン(ぶらつき町)です。 |
JCRRAG_001094 | 国語 | ハドソン河の河幅がひろがり、むかしオランダ人の航海者がタッパン・ジーと名づけていたところでは、彼らは用心していつでも帆をちぢめ、航海者の守り、聖ニコラスに加護をねがいながら、横断したものだ。そこの東側の岸にくいこんでいる広い入江の奥に、小さな市場か田舎の港といったような町があり、ある人たちはグリーンズバラと呼んでいるが、本来はタリー・タウン(ぶらつき町)という名が正しく、また普通にはその名で知られている。聞くところによれば、この名は、そのむかしこの近隣の女房たちがつけたもので、市場のひらかれる日に亭主連が村の居酒屋のあたりをぶらついてはなれない頑固な癖があったからだという。それはともかくとして、わたしはこの事実の真偽のほどはうけあわ... | タリー・タウンという名前は、そのむかし近隣の誰がつけたものですか。 | タリー・タウンという名前は、そのむかしこの近隣の女房たちがつけたものです。 |
JCRRAG_001095 | 国語 | ハドソン河の河幅がひろがり、むかしオランダ人の航海者がタッパン・ジーと名づけていたところでは、彼らは用心していつでも帆をちぢめ、航海者の守り、聖ニコラスに加護をねがいながら、横断したものだ。そこの東側の岸にくいこんでいる広い入江の奥に、小さな市場か田舎の港といったような町があり、ある人たちはグリーンズバラと呼んでいるが、本来はタリー・タウン(ぶらつき町)という名が正しく、また普通にはその名で知られている。聞くところによれば、この名は、そのむかしこの近隣の女房たちがつけたもので、市場のひらかれる日に亭主連が村の居酒屋のあたりをぶらついてはなれない頑固な癖があったからだという。それはともかくとして、わたしはこの事実の真偽のほどはうけあわ... | わたしがまだ少年のころはじめて栗鼠射ちで手柄をたてたのは、何の木の林でしたか。 | わたしがまだ少年のころはじめて栗鼠射ちで手柄をたてたのは、胡桃の木の林でした。 |
JCRRAG_001096 | 国語 | ハドソン河の河幅がひろがり、むかしオランダ人の航海者がタッパン・ジーと名づけていたところでは、彼らは用心していつでも帆をちぢめ、航海者の守り、聖ニコラスに加護をねがいながら、横断したものだ。そこの東側の岸にくいこんでいる広い入江の奥に、小さな市場か田舎の港といったような町があり、ある人たちはグリーンズバラと呼んでいるが、本来はタリー・タウン(ぶらつき町)という名が正しく、また普通にはその名で知られている。聞くところによれば、この名は、そのむかしこの近隣の女房たちがつけたもので、市場のひらかれる日に亭主連が村の居酒屋のあたりをぶらついてはなれない頑固な癖があったからだという。それはともかくとして、わたしはこの事実の真偽のほどはうけあわ... | 小さな渓谷は何という名前で知られていましたか。 | 小さな渓谷はスリーピー・ホロー(まどろみの窪)という名で知られていました。 |
JCRRAG_001097 | 国語 | 毎週一回晩にあつまって彼の讃美歌の指導をうけていた音楽の弟子たちのなかに、カトリーナ・ヴァン・タッセルという、オランダ人の金持ち農夫の一人娘がいた。彼女は花はずかしい十八歳の乙女だった。しゃこのように丸々と肥って、熟して柔らかで赤い頬は、まるで彼女の父のつくった桃にも似ていた。そして、彼女の評判はひろく知られていたが、それは単に美貌のためだけでなく、巨万の遺産をうけつぐことになっていたためでもある。しかも、彼女は着ているものを見ればわかるように、いささか仇っぽいところもあった。彼女の服は昔風なところに最新流行をまじえたもので、それがまことに彼女の魅力をしたたるばかりにしていた。彼女は、祖母の祖母がオランダのザールダムから持ってきた純... | 音楽の弟子たちのなかにいた、カトリーナ・タッセルという金持ち農夫の一人娘は、なに人でしたか。 | 音楽の弟子たちのなかにいた、カトリーナ・タッセルという金持ち農夫の一人娘は、オランダ人でした。 |
JCRRAG_001098 | 国語 | 毎週一回晩にあつまって彼の讃美歌の指導をうけていた音楽の弟子たちのなかに、カトリーナ・ヴァン・タッセルという、オランダ人の金持ち農夫の一人娘がいた。彼女は花はずかしい十八歳の乙女だった。しゃこのように丸々と肥って、熟して柔らかで赤い頬は、まるで彼女の父のつくった桃にも似ていた。そして、彼女の評判はひろく知られていたが、それは単に美貌のためだけでなく、巨万の遺産をうけつぐことになっていたためでもある。しかも、彼女は着ているものを見ればわかるように、いささか仇っぽいところもあった。彼女の服は昔風なところに最新流行をまじえたもので、それがまことに彼女の魅力をしたたるばかりにしていた。彼女は、祖母の祖母がオランダのザールダムから持ってきた純... | カトリーナ・ヴァン・タッセルは何歳でしたか。 | カトリーナ・ヴァン・タッセルは十八歳でした。 |
JCRRAG_001099 | 国語 | 毎週一回晩にあつまって彼の讃美歌の指導をうけていた音楽の弟子たちのなかに、カトリーナ・ヴァン・タッセルという、オランダ人の金持ち農夫の一人娘がいた。彼女は花はずかしい十八歳の乙女だった。しゃこのように丸々と肥って、熟して柔らかで赤い頬は、まるで彼女の父のつくった桃にも似ていた。そして、彼女の評判はひろく知られていたが、それは単に美貌のためだけでなく、巨万の遺産をうけつぐことになっていたためでもある。しかも、彼女は着ているものを見ればわかるように、いささか仇っぽいところもあった。彼女の服は昔風なところに最新流行をまじえたもので、それがまことに彼女の魅力をしたたるばかりにしていた。彼女は、祖母の祖母がオランダのザールダムから持ってきた純... | カトリーナ・ヴァン・タッセルの頬は何に似ていましたか。 | カトリーナ・ヴァン・タッセルの頬は彼女の父のつくった桃に似ていました。 |
JCRRAG_001100 | 国語 | 毎週一回晩にあつまって彼の讃美歌の指導をうけていた音楽の弟子たちのなかに、カトリーナ・ヴァン・タッセルという、オランダ人の金持ち農夫の一人娘がいた。彼女は花はずかしい十八歳の乙女だった。しゃこのように丸々と肥って、熟して柔らかで赤い頬は、まるで彼女の父のつくった桃にも似ていた。そして、彼女の評判はひろく知られていたが、それは単に美貌のためだけでなく、巨万の遺産をうけつぐことになっていたためでもある。しかも、彼女は着ているものを見ればわかるように、いささか仇っぽいところもあった。彼女の服は昔風なところに最新流行をまじえたもので、それがまことに彼女の魅力をしたたるばかりにしていた。彼女は、祖母の祖母がオランダのザールダムから持ってきた純... | ボールタス・ヴァン・タッセル老人はどのような人でしたか。 | ボールタス・ヴァン・タッセル老人は、裕福で何一つ不足のない、心の大きな農夫の見ごとな標本でした。彼は自分の農場の境界よりそとのことには目をくれず、考えて見ようともしなかったが、その農場では、一切がきちんとして、心地よく整っていました。彼は自分が金持ちであることに満足していましたが、それを自慢したりはしませんでした。心ゆくばかりの豊かさを誇っていましたが、自分の生活ぶりを得意になって見せることはなかった。 |
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