ID stringlengths 13 13 | Category stringclasses 12
values | Context stringlengths 1 4.96k | Question stringlengths 7 248 | GroundtruthAnswer stringlengths 2 663 |
|---|---|---|---|---|
JCRRAG_011101 | 国語 | 蟹工船には川崎船を八隻のせていた。船員も漁夫もそれを何千匹の鱶のように、白い歯をむいてくる波にもぎ取られないように、縛りつけるために、自分等の命を「安々」と賭けなければならなかった。「貴様等の一人、二人が何なんだ。川崎一艘取られてみろ、たまったもんでないんだ」監督は日本語でハッキリそういった。
カムサツカの海は、よくも来やがった、と待ちかまえていたように見えた。ガツ、ガツに飢えている獅子のように、えどなみかかってきた。船はまるで兎より、もっと弱々しかった。空一面の吹雪は、風の工合で、白い大きな旗がなびくように見えた。夜が近くなってきた。しかし時化は止みそうもなかった。
仕事が終ると、皆は「糞壺」の中へ順々に入り込んできた。手や足は大... | 船員も漁夫もそれを何千匹の鱶のように、白い歯をむいてくる波にもぎ取られないように、縛りつけるために、何をかけなければならなかったか。 | 船員も漁夫もそれを何千匹の鱶のように、白い歯をむいてくる波にもぎ取られないように、縛りつけるために、自分等の命を「安々」と賭けなければならなかった。 |
JCRRAG_011102 | 国語 | 蟹工船には川崎船を八隻のせていた。船員も漁夫もそれを何千匹の鱶のように、白い歯をむいてくる波にもぎ取られないように、縛りつけるために、自分等の命を「安々」と賭けなければならなかった。「貴様等の一人、二人が何なんだ。川崎一艘取られてみろ、たまったもんでないんだ」監督は日本語でハッキリそういった。
カムサツカの海は、よくも来やがった、と待ちかまえていたように見えた。ガツ、ガツに飢えている獅子のように、えどなみかかってきた。船はまるで兎より、もっと弱々しかった。空一面の吹雪は、風の工合で、白い大きな旗がなびくように見えた。夜が近くなってきた。しかし時化は止みそうもなかった。
仕事が終ると、皆は「糞壺」の中へ順々に入り込んできた。手や足は大... | カムサツカの海は、どのように見えたか。 | カムサツカの海は、よくも来やがった、と待ちかまえていたように見えた。 |
JCRRAG_011103 | 国語 | 蟹工船には川崎船を八隻のせていた。船員も漁夫もそれを何千匹の鱶のように、白い歯をむいてくる波にもぎ取られないように、縛りつけるために、自分等の命を「安々」と賭けなければならなかった。「貴様等の一人、二人が何なんだ。川崎一艘取られてみろ、たまったもんでないんだ」監督は日本語でハッキリそういった。
カムサツカの海は、よくも来やがった、と待ちかまえていたように見えた。ガツ、ガツに飢えている獅子のように、えどなみかかってきた。船はまるで兎より、もっと弱々しかった。空一面の吹雪は、風の工合で、白い大きな旗がなびくように見えた。夜が近くなってきた。しかし時化は止みそうもなかった。
仕事が終ると、皆は「糞壺」の中へ順々に入り込んできた。手や足は大... | 船はまるで何より弱々しかったか。 | 船はまるで兎より、もっと弱々しかった。 |
JCRRAG_011104 | 国語 | 「日本を離れるんだど」円窓をひじで拭っている。
「糞壺」のストーブはブスブス燻ってばかりいた。鮭や鱒と間違われて、「冷蔵庫」へ投げ込まれたように、その中で「生きている」人間はガタガタ顫えていた。ズックで覆ったハッチの上をザア、ザアと波が大股に乗り越して行った。それが、その度に太鼓の内部みたいな「糞壺」の鉄壁に、物凄い反響を起こした。時々漁夫の寝ているすぐ横が、グイと男の強い肩でつかれたように、ドシンとくる。今では、船は、断末魔の鯨が、荒狂う波濤の間に身体をのたうっている、そのままだった。
「飯だ!」賄がドアーから身体の上半分をつき出して、口で両手を囲んで叫んだ。「時化てるから汁なし」
「何んだって?」
「腐れ塩引!」顔をひっこめた。... | 「糞壺」のストーブはどのような状態だったか。 | 「糞壺」のストーブはブスブス燻ってばかりいた。 |
JCRRAG_011105 | 国語 | 「日本を離れるんだど」円窓をひじで拭っている。
「糞壺」のストーブはブスブス燻ってばかりいた。鮭や鱒と間違われて、「冷蔵庫」へ投げ込まれたように、その中で「生きている」人間はガタガタ顫えていた。ズックで覆ったハッチの上をザア、ザアと波が大股に乗り越して行った。それが、その度に太鼓の内部みたいな「糞壺」の鉄壁に、物凄い反響を起こした。時々漁夫の寝ているすぐ横が、グイと男の強い肩でつかれたように、ドシンとくる。今では、船は、断末魔の鯨が、荒狂う波濤の間に身体をのたうっている、そのままだった。
「飯だ!」賄がドアーから身体の上半分をつき出して、口で両手を囲んで叫んだ。「時化てるから汁なし」
「何んだって?」
「腐れ塩引!」顔をひっこめた。... | 鮭や鱒と間違われて、「冷蔵庫」へ投げ込まれたように、その中で「生きている」人間はどのような状態だったか。 | 鮭や鱒と間違われて、「冷蔵庫」へ投げ込まれたように、その中で「生きている」人間はガタガタ顫えていた。 |
JCRRAG_011106 | 国語 | 「日本を離れるんだど」円窓をひじで拭っている。
「糞壺」のストーブはブスブス燻ってばかりいた。鮭や鱒と間違われて、「冷蔵庫」へ投げ込まれたように、その中で「生きている」人間はガタガタ顫えていた。ズックで覆ったハッチの上をザア、ザアと波が大股に乗り越して行った。それが、その度に太鼓の内部みたいな「糞壺」の鉄壁に、物凄い反響を起こした。時々漁夫の寝ているすぐ横が、グイと男の強い肩でつかれたように、ドシンとくる。今では、船は、断末魔の鯨が、荒狂う波濤の間に身体をのたうっている、そのままだった。
「飯だ!」賄がドアーから身体の上半分をつき出して、口で両手を囲んで叫んだ。「時化てるから汁なし」
「何んだって?」
「腐れ塩引!」顔をひっこめた。... | ズックで覆ったハッチの上をザア、ザアと波がどのように乗り越していったか。 | ズックで覆ったハッチの上をザア、ザアと波が大股に乗り越して行った。 |
JCRRAG_011107 | 国語 | 飯を食っていると、監督が入ってきた。
「いけホイドして、ガツガツまくらうな。仕事もろくに出来ない日に、飯ば鱈腹食われてたまるもんか」
ジロジロと棚の上下を見ながら、左肩だけを前の方へ揺らして出て行った。
「一体あいつにあんなことを言う権利があるのか」船酔と過労で、ゲッソリやせた学生上りが、ブツブツ言った。
「浅川ッたら蟹工の浅か、浅の蟹工かってな」
「天皇陛下は雲の上にいるから、俺達にャどうでもいいんだけど、浅ってなれば、どっこいそうは行かないからな」
別な方から、
「ケチケチすんねえ、何んだ、飯の一杯、二杯! なぐってしまえ!」唇を尖んがらした声だった。
「偉い偉い。そいつを浅の前で言えれば、なお偉い!」
皆は仕方なく、腹を立てた... | 船酔と過労で、ゲッソリやせた学生上りが、どのような行動をとったか。 | 船酔と過労で、ゲッソリやせた学生上りが、ブツブツ言った。 |
JCRRAG_011108 | 国語 | 飯を食っていると、監督が入ってきた。
「いけホイドして、ガツガツまくらうな。仕事もろくに出来ない日に、飯ば鱈腹食われてたまるもんか」
ジロジロと棚の上下を見ながら、左肩だけを前の方へ揺らして出て行った。
「一体あいつにあんなことを言う権利があるのか」船酔と過労で、ゲッソリやせた学生上りが、ブツブツ言った。
「浅川ッたら蟹工の浅か、浅の蟹工かってな」
「天皇陛下は雲の上にいるから、俺達にャどうでもいいんだけど、浅ってなれば、どっこいそうは行かないからな」
別な方から、
「ケチケチすんねえ、何んだ、飯の一杯、二杯! なぐってしまえ!」唇を尖んがらした声だった。
「偉い偉い。そいつを浅の前で言えれば、なお偉い!」
皆は仕方なく、腹を立てた... | 皆は仕方なく、腹を立てたまま、どのような行動をとったか。 | 皆は仕方なく、腹を立てたまま、笑ってしまった。 |
JCRRAG_011109 | 国語 | 飯を食っていると、監督が入ってきた。
「いけホイドして、ガツガツまくらうな。仕事もろくに出来ない日に、飯ば鱈腹食われてたまるもんか」
ジロジロと棚の上下を見ながら、左肩だけを前の方へ揺らして出て行った。
「一体あいつにあんなことを言う権利があるのか」船酔と過労で、ゲッソリやせた学生上りが、ブツブツ言った。
「浅川ッたら蟹工の浅か、浅の蟹工かってな」
「天皇陛下は雲の上にいるから、俺達にャどうでもいいんだけど、浅ってなれば、どっこいそうは行かないからな」
別な方から、
「ケチケチすんねえ、何んだ、飯の一杯、二杯! なぐってしまえ!」唇を尖んがらした声だった。
「偉い偉い。そいつを浅の前で言えれば、なお偉い!」
皆は仕方なく、腹を立てた... | 夜、余程過ぎてから、雨合羽を着た監督が、何をしたか。 | 夜、余程過ぎてから、雨合羽を着た監督が、漁夫の寝ているところへ入ってきた。 |
JCRRAG_011110 | 国語 | 飯を食っていると、監督が入ってきた。
「いけホイドして、ガツガツまくらうな。仕事もろくに出来ない日に、飯ば鱈腹食われてたまるもんか」
ジロジロと棚の上下を見ながら、左肩だけを前の方へ揺らして出て行った。
「一体あいつにあんなことを言う権利があるのか」船酔と過労で、ゲッソリやせた学生上りが、ブツブツ言った。
「浅川ッたら蟹工の浅か、浅の蟹工かってな」
「天皇陛下は雲の上にいるから、俺達にャどうでもいいんだけど、浅ってなれば、どっこいそうは行かないからな」
別な方から、
「ケチケチすんねえ、何んだ、飯の一杯、二杯! なぐってしまえ!」唇を尖んがらした声だった。
「偉い偉い。そいつを浅の前で言えれば、なお偉い!」
皆は仕方なく、腹を立てた... | 末広な、青ッぽいカンテラの光が揺れる度に、ゴミゴミした棚の一部や、脛の長い防水ゴム靴や、支柱に懸けてあるドザや袢天、それに行李などの一部分がどうなったか。 | 末広な、青ッぽいカンテラの光が揺れる度に、ゴミゴミした棚の一部や、脛の長い防水ゴム靴や、支柱に懸けてあるドザや袢天、それに行李などの一部分がチラ、チラッと光って、消えた。 |
JCRRAG_011111 | 国語 | 飯を食っていると、監督が入ってきた。
「いけホイドして、ガツガツまくらうな。仕事もろくに出来ない日に、飯ば鱈腹食われてたまるもんか」
ジロジロと棚の上下を見ながら、左肩だけを前の方へ揺らして出て行った。
「一体あいつにあんなことを言う権利があるのか」船酔と過労で、ゲッソリやせた学生上りが、ブツブツ言った。
「浅川ッたら蟹工の浅か、浅の蟹工かってな」
「天皇陛下は雲の上にいるから、俺達にャどうでもいいんだけど、浅ってなれば、どっこいそうは行かないからな」
別な方から、
「ケチケチすんねえ、何んだ、飯の一杯、二杯! なぐってしまえ!」唇を尖んがらした声だった。
「偉い偉い。そいつを浅の前で言えれば、なお偉い!」
皆は仕方なく、腹を立てた... | 次の朝になって、雑夫の一人がどうなったことが分かったか。 | 次の朝になって、雑夫の一人が行方不明になったことがわかった。 |
JCRRAG_011112 | 国語 | 皆は前の日の「無茶な仕事」を思い、「あれじゃ、波に浚われたんだ」と思った。イヤな気持になった。然し漁夫達が未明から追い廻わされたので、そのことではお互いに話すことが出来なかった。
「こったら冷たい水さ、誰が好き好んで飛び込むって! 隠れてやがるんだ。見付けたら、畜生、タタきのめしてやるから!」
監督は棍棒を玩具のようにグルグル廻しながら、船の中を探して歩いた。
時化は頂上を過ぎてはいた。それでも、船が行先きにもり上った波に突き入ると、「おもて」の甲板を、波は自分の敷居でもまたぐように何んの雑作もなく、乗り越してきた。一昼夜の闘争で、満身に痛手を負ったかのように、船は何処かびっこな音をたてて進んでいた。薄い煙のような雲が、手が届きそう... | 四囲にもりもりと何がムクれ上ってきたか。 | 四囲にもりもりと波がムクれ上ってきた。 |
JCRRAG_011113 | 国語 | 皆は前の日の「無茶な仕事」を思い、「あれじゃ、波に浚われたんだ」と思った。イヤな気持になった。然し漁夫達が未明から追い廻わされたので、そのことではお互いに話すことが出来なかった。
「こったら冷たい水さ、誰が好き好んで飛び込むって! 隠れてやがるんだ。見付けたら、畜生、タタきのめしてやるから!」
監督は棍棒を玩具のようにグルグル廻しながら、船の中を探して歩いた。
時化は頂上を過ぎてはいた。それでも、船が行先きにもり上った波に突き入ると、「おもて」の甲板を、波は自分の敷居でもまたぐように何んの雑作もなく、乗り越してきた。一昼夜の闘争で、満身に痛手を負ったかのように、船は何処かびっこな音をたてて進んでいた。薄い煙のような雲が、手が届きそう... | 皆は前の日の「無茶な仕事」を思い、「あれじゃ、波に浚われたんだ」と思った時、どんな気持ちになりましたか。 | 皆は前の日の「無茶な仕事」を思い、「あれじゃ、波に浚われたんだ」と思った時、イヤな気持になりました。 |
JCRRAG_011114 | 国語 | 皆は前の日の「無茶な仕事」を思い、「あれじゃ、波に浚われたんだ」と思った。イヤな気持になった。然し漁夫達が未明から追い廻わされたので、そのことではお互いに話すことが出来なかった。
「こったら冷たい水さ、誰が好き好んで飛び込むって! 隠れてやがるんだ。見付けたら、畜生、タタきのめしてやるから!」
監督は棍棒を玩具のようにグルグル廻しながら、船の中を探して歩いた。
時化は頂上を過ぎてはいた。それでも、船が行先きにもり上った波に突き入ると、「おもて」の甲板を、波は自分の敷居でもまたぐように何んの雑作もなく、乗り越してきた。一昼夜の闘争で、満身に痛手を負ったかのように、船は何処かびっこな音をたてて進んでいた。薄い煙のような雲が、手が届きそう... | 漁夫達が未明から追い廻わされたので、そのことで何ができなかったか。 | 漁夫達が未明から追い廻わされたので、そのことではお互いに話すことが出来なかった。 |
JCRRAG_011115 | 国語 | 皆は前の日の「無茶な仕事」を思い、「あれじゃ、波に浚われたんだ」と思った。イヤな気持になった。然し漁夫達が未明から追い廻わされたので、そのことではお互いに話すことが出来なかった。
「こったら冷たい水さ、誰が好き好んで飛び込むって! 隠れてやがるんだ。見付けたら、畜生、タタきのめしてやるから!」
監督は棍棒を玩具のようにグルグル廻しながら、船の中を探して歩いた。
時化は頂上を過ぎてはいた。それでも、船が行先きにもり上った波に突き入ると、「おもて」の甲板を、波は自分の敷居でもまたぐように何んの雑作もなく、乗り越してきた。一昼夜の闘争で、満身に痛手を負ったかのように、船は何処かびっこな音をたてて進んでいた。薄い煙のような雲が、手が届きそう... | 監督は棍棒を玩具のようにグルグル廻しながら、何をしたか。 | 監督は棍棒を玩具のようにグルグル廻しながら、船の中を探して歩いた。 |
JCRRAG_011116 | 国語 | 皆は前の日の「無茶な仕事」を思い、「あれじゃ、波に浚われたんだ」と思った。イヤな気持になった。然し漁夫達が未明から追い廻わされたので、そのことではお互いに話すことが出来なかった。
「こったら冷たい水さ、誰が好き好んで飛び込むって! 隠れてやがるんだ。見付けたら、畜生、タタきのめしてやるから!」
監督は棍棒を玩具のようにグルグル廻しながら、船の中を探して歩いた。
時化は頂上を過ぎてはいた。それでも、船が行先きにもり上った波に突き入ると、「おもて」の甲板を、波は自分の敷居でもまたぐように何んの雑作もなく、乗り越してきた。一昼夜の闘争で、満身に痛手を負ったかのように、船は何処かびっこな音をたてて進んでいた。薄い煙のような雲が、手が届きそう... | 船が行先きにもり上った波に突き入ると、「おもて」の甲板を、波はどんな風に乗り越えてきたか。 | 船が行先きにもり上った波に突き入ると、「おもて」の甲板を、波は自分の敷居でもまたぐように何んの雑作もなく、乗り越してきた。 |
JCRRAG_011117 | 国語 | 「チョッと」給仕が風の当らない角に引っ張って行った。「面白いことがあるんだよ」と言って話してきかせた。
今朝の二時頃だった。ボート・デッキの上まで波が躍り上って、間を置いて、バジャバジャ、ザアッとそれが滝のように流れていた。夜の闇の中で、波が歯をムキ出しにしているのが、時々青白く光ってみえた。時化のために皆寝ずにいた。その時だった。
船長室に無電係が慌ててかけ込んできた。
「船長、大変です。S・O・Sです!」
「S・O・S? ――何船だ?」
「秩父丸です。本船と並んで進んでいたんです」
「ボロ船だ、それア!」浅川が雨合羽を着たまま、隅の方の椅子に大きく股を開いて、腰をかけていた。片方の靴の先だけを、小馬鹿にしたように、カタカタ動かし... | 船長室に無電係が慌ててかけ込んできた時、一言目に行ったセリフはなんですか。 | 船長室に無電係が慌ててかけ込んできた時、一言目に行ったセリフは「船長、大変です。S・O・Sです!」でした。 |
JCRRAG_011118 | 国語 | 「チョッと」給仕が風の当らない角に引っ張って行った。「面白いことがあるんだよ」と言って話してきかせた。
今朝の二時頃だった。ボート・デッキの上まで波が躍り上って、間を置いて、バジャバジャ、ザアッとそれが滝のように流れていた。夜の闇の中で、波が歯をムキ出しにしているのが、時々青白く光ってみえた。時化のために皆寝ずにいた。その時だった。
船長室に無電係が慌ててかけ込んできた。
「船長、大変です。S・O・Sです!」
「S・O・S? ――何船だ?」
「秩父丸です。本船と並んで進んでいたんです」
「ボロ船だ、それア!」浅川が雨合羽を着たまま、隅の方の椅子に大きく股を開いて、腰をかけていた。片方の靴の先だけを、小馬鹿にしたように、カタカタ動かし... | ボート・デッキの上まで波が躍り上って、間を置いて、波はどのようになっていたか。 | ボート・デッキの上まで波が躍り上って、間を置いて、バジャバジャ、ザアッとそれが滝のように流れていた。 |
JCRRAG_011119 | 国語 | 「チョッと」給仕が風の当らない角に引っ張って行った。「面白いことがあるんだよ」と言って話してきかせた。
今朝の二時頃だった。ボート・デッキの上まで波が躍り上って、間を置いて、バジャバジャ、ザアッとそれが滝のように流れていた。夜の闇の中で、波が歯をムキ出しにしているのが、時々青白く光ってみえた。時化のために皆寝ずにいた。その時だった。
船長室に無電係が慌ててかけ込んできた。
「船長、大変です。S・O・Sです!」
「S・O・S? ――何船だ?」
「秩父丸です。本船と並んで進んでいたんです」
「ボロ船だ、それア!」浅川が雨合羽を着たまま、隅の方の椅子に大きく股を開いて、腰をかけていた。片方の靴の先だけを、小馬鹿にしたように、カタカタ動かし... | 夜の闇の中で、波が歯をムキ出しにしているのが、時々どのように見えたか。 | 夜の闇の中で、波が歯をムキ出しにしているのが、時々青白く光ってみえた。 |
JCRRAG_011120 | 国語 | 「チョッと」給仕が風の当らない角に引っ張って行った。「面白いことがあるんだよ」と言って話してきかせた。
今朝の二時頃だった。ボート・デッキの上まで波が躍り上って、間を置いて、バジャバジャ、ザアッとそれが滝のように流れていた。夜の闇の中で、波が歯をムキ出しにしているのが、時々青白く光ってみえた。時化のために皆寝ずにいた。その時だった。
船長室に無電係が慌ててかけ込んできた。
「船長、大変です。S・O・Sです!」
「S・O・S? ――何船だ?」
「秩父丸です。本船と並んで進んでいたんです」
「ボロ船だ、それア!」浅川が雨合羽を着たまま、隅の方の椅子に大きく股を開いて、腰をかけていた。片方の靴の先だけを、小馬鹿にしたように、カタカタ動かし... | 時化のために皆は、どうしていたか。 | 時化のために皆寝ずにいた。 |
JCRRAG_011121 | 国語 | 給仕は「今」恐ろしい喧嘩が!と思った。それが、それだけで済む筈がない。だが、船長は咽喉へ綿でもつめられたように、立ちすくんでいるではないか。給仕はこんな場合の船長をかつて一度も見たことがなかった。船長の言ったことが通らない? 馬鹿、そんな事が! だが、それが起こっている。給仕にはどうしても分らなかった。
「人情味なんか柄でもなく持ち出して、国と国との大相撲がとれるか!」唇を思い切りゆがめて唾をはいた。
無電室では受信機が時々小さく、青白い火花を出して、しきりなしになっていた。とにかく経過を見るために、皆は無電室に行った。
「ね、こんなに打っているんです。だんだん早くなりますね」
係は自分の肩越しに覗き込んでいる船長や監督に説明した。... | 給仕は「今」何と思ったか。 | 給仕は「今」恐ろしい喧嘩が!と思った。 |
JCRRAG_011122 | 国語 | 給仕は「今」恐ろしい喧嘩が!と思った。それが、それだけで済む筈がない。だが、船長は咽喉へ綿でもつめられたように、立ちすくんでいるではないか。給仕はこんな場合の船長をかつて一度も見たことがなかった。船長の言ったことが通らない? 馬鹿、そんな事が! だが、それが起こっている。給仕にはどうしても分らなかった。
「人情味なんか柄でもなく持ち出して、国と国との大相撲がとれるか!」唇を思い切りゆがめて唾をはいた。
無電室では受信機が時々小さく、青白い火花を出して、しきりなしになっていた。とにかく経過を見るために、皆は無電室に行った。
「ね、こんなに打っているんです。だんだん早くなりますね」
係は自分の肩越しに覗き込んでいる船長や監督に説明した。... | 給仕は喧嘩で立ちすくんでいる場合の船長を見たことがあったか。 | 給仕は喧嘩で立ちすくんでいる場合の船長をかつて一度も見たことがなかった。 |
JCRRAG_011123 | 国語 | 給仕は「今」恐ろしい喧嘩が! と思った。それが、それだけで済む筈がない。だが、船長は咽喉へ綿でもつめられたように、立ちすくんでいるではないか。給仕はこんな場合の船長をかつて一度も見たことがなかった。船長の言ったことが通らない? 馬鹿、そんな事が! だが、それが起こっている。給仕にはどうしても分らなかった。
「人情味なんか柄でもなく持ち出して、国と国との大相撲がとれるか!」唇を思い切りゆがめて唾をはいた。
無電室では受信機が時々小さく、青白い火花を出して、しきりなしになっていた。とにかく経過を見るために、皆は無電室に行った。
「ね、こんなに打っているんです。だんだん早くなりますね」
係は自分の肩越しに覗き込んでいる船長や監督に説明した... | 受信機は無電室で、どうなっていたか。 | 受信機は無電室で時々小さく、青白い火花を出して、しきりなしになっていた。 |
JCRRAG_011124 | 国語 | 給仕は「今」恐ろしい喧嘩が! と思った。それが、それだけで済む筈がない。だが、船長は咽喉へ綿でもつめられたように、立ちすくんでいるではないか。給仕はこんな場合の船長をかつて一度も見たことがなかった。船長の言ったことが通らない? 馬鹿、そんな事が! だが、それが起こっている。給仕にはどうしても分らなかった。
「人情味なんか柄でもなく持ち出して、国と国との大相撲がとれるか!」唇を思い切りゆがめて唾をはいた。
無電室では受信機が時々小さく、青白い火花を出して、しきりなしになっていた。とにかく経過を見るために、皆は無電室に行った。
「ね、こんなに打っているんです。だんだん早くなりますね」
係は自分の肩越しに覗き込んでいる船長や監督に説明した... | 係は自分の肩越しに覗き込んでいる船長や監督に何をしたか。 | 係は自分の肩越しに覗き込んでいる船長や監督に説明した。 |
JCRRAG_011125 | 国語 | 給仕は「今」恐ろしい喧嘩が! と思った。それが、それだけで済む筈がない。だが、船長は咽喉へ綿でもつめられたように、立ちすくんでいるではないか。給仕はこんな場合の船長をかつて一度も見たことがなかった。船長の言ったことが通らない? 馬鹿、そんな事が! だが、それが起こっている。給仕にはどうしても分らなかった。
「人情味なんか柄でもなく持ち出して、国と国との大相撲がとれるか!」唇を思い切りゆがめて唾をはいた。
無電室では受信機が時々小さく、青白い火花を出して、しきりなしになっていた。とにかく経過を見るために、皆は無電室に行った。
「ね、こんなに打っているんです。だんだん早くなりますね」
係は自分の肩越しに覗き込んでいる船長や監督に説明した... | 船の動揺の度に、腫物のように壁に取付けてある電燈が、どのようになっていたか。 | 船の動揺の度に、腫物のように壁に取付けてある電燈が、明るくなったり暗くなったりした。 |
JCRRAG_011126 | 国語 | 学生上りは、「ウム、そうか!」と言った。その話にひきつけられていた。然し暗い気持がして、海に眼をそらした。海はまだ大うねりにうねり返っていた。水平線が見る間に足の下になるかと、思うと、二、三分もしないうちに、谷から狭ばめられた空を仰ぐように、下へ引きずりこまれていた。
「本当に沈没したかな」独言が出る。気になって仕方がなかった。同じように、ボロ船に乗っている自分達のことが頭にくる。
――蟹工船はどれもボロ船だった。労働者が北オホツックの海で死ぬことなどは、丸ビルにいる重役には、どうでもいい事だった。資本主義がきまりきった所だけの利潤では行き詰まり、金利が下がって、金がダブついてくると、「文字通り」どんな事でもするし、どんな所へでも、... | 海はまだどのような状態だったか。 | 海はまだ大うねりにうねり返っていた。 |
JCRRAG_011127 | 国語 | 学生上りは、「ウム、そうか!」と言った。その話にひきつけられていた。然し暗い気持がして、海に眼をそらした。海はまだ大うねりにうねり返っていた。水平線が見る間に足の下になるかと、思うと、二、三分もしないうちに、谷から狭ばめられた空を仰ぐように、下へ引きずりこまれていた。
「本当に沈没したかな」独言が出る。気になって仕方がなかった。同じように、ボロ船に乗っている自分達のことが頭にくる。
――蟹工船はどれもボロ船だった。労働者が北オホツックの海で死ぬことなどは、丸ビルにいる重役には、どうでもいい事だった。資本主義がきまりきった所だけの利潤では行き詰まり、金利が下がって、金がダブついてくると、「文字通り」どんな事でもするし、どんな所へでも、... | 労働者が北オホツックの海で死ぬことなどは、丸ビルにいる重役には、どのようなことだったか。 | 労働者が北オホツックの海で死ぬことなどは、丸ビルにいる重役には、どうでもいい事だった。 |
JCRRAG_011128 | 国語 | 学生上りは、「ウム、そうか!」と言った。その話にひきつけられていた。然し暗い気持がして、海に眼をそらした。海はまだ大うねりにうねり返っていた。水平線が見る間に足の下になるかと、思うと、二、三分もしないうちに、谷から狭ばめられた空を仰ぐように、下へ引きずりこまれていた。
「本当に沈没したかな」独言が出る。気になって仕方がなかった。同じように、ボロ船に乗っている自分達のことが頭にくる。
――蟹工船はどれもボロ船だった。労働者が北オホツックの海で死ぬことなどは、丸ビルにいる重役には、どうでもいい事だった。資本主義がきまりきった所だけの利潤では行き詰まり、金利が下がって、金がダブついてくると、「文字通り」どんな事でもするし、どんな所へでも、... | 利口な重役は蟹工船の仕事を何と結び付けたか。 | 利口な重役は蟹工船の仕事を「日本帝国のため」と結びつけてしまった。 |
JCRRAG_011129 | 国語 | "学生上りは、「ウム、そうか!」と言った。その話にひきつけられていた。然し暗い気持がして、海に眼をそらした。海はまだ大うねりにうねり返っていた。水平線が見る間に足の下になるかと、思うと、二、三分もしないうちに、谷から狭ばめられた空を仰ぐように、下へ引きずりこまれていた。
「本当に沈没したかな」独言が出る。気になって仕方がなかった。同じように、ボロ船に乗っている自分達のことが頭にくる。
――蟹工船はどれもボロ船だった。労働者が北オホツックの海で死ぬことなどは、丸ビルにいる重役には、どうでもいい事だった。資本主義がきまりきった所だけの利潤では行き詰まり、金利が下がって、金がダブついてくると、「文字通り」どんな事でもするし、どんな所へでも... | 露国の監視船に追われて、スピードをかけると、どのようなことが起きたか。 | 露国の監視船に追われて、スピードをかけると、(そんな時は何度もあった)船のどの部分もメリメリ鳴って、今にもその一つ、一つがバラバラに解ぐれそうだった。 |
JCRRAG_011130 | 国語 | 霧雨が何日も上らない。それでボカされたカムサツカの沿線が、するすると八ツ目鰻のように延びて見えた。
沖合四浬のところで、博光丸が錨を下ろした。三浬までロシアの領海なので、それ以内に入ることは出来ない「ことになっていた」。
網さばきが終って、いつからでも蟹漁が出来るように準備が出来た。カムサツカの夜明けは二時頃なので、漁夫達はすっかり身支度をし、股までのゴム靴をはいたまま、折箱の中に入って、ゴロ寝をした。
周旋屋にだまされて、連れてこられた東京の学生上りは、こんな筈がなかった、とブツブツ言っていた。
「独り寝だなんて、ウマイ事言いやがって!」
「ちげえねえ、独り寝さ。ゴロ寝だもの」
学生は十七、八人来ていた。六十円を前借りすることに決... | 沖合四浬のところで、博光丸が何をしたか。 | 沖合四浬のところで、博光丸が錨を下ろした。 |
JCRRAG_011131 | 国語 | 霧雨が何日も上らない。それでボカされたカムサツカの沿線が、するすると八ツ目鰻のように延びて見えた。
沖合四浬のところで、博光丸が錨を下ろした。三浬までロシアの領海なので、それ以内に入ることは出来ない「ことになっていた」。
網さばきが終って、いつからでも蟹漁が出来るように準備が出来た。カムサツカの夜明けは二時頃なので、漁夫達はすっかり身支度をし、股までのゴム靴をはいたまま、折箱の中に入って、ゴロ寝をした。
周旋屋にだまされて、連れてこられた東京の学生上りは、こんな筈がなかった、とブツブツ言っていた。
「独り寝だなんて、ウマイ事言いやがって!」
「ちげえねえ、独り寝さ。ゴロ寝だもの」
学生は十七、八人来ていた。六十円を前借りすることに決... | ボカされたカムサツカの沿線が、どのように見えたか。 | ボカされたカムサツカの沿線が、するすると八ツ目鰻のように延びて見えた。 |
JCRRAG_011132 | 国語 | 霧雨が何日も上らない。それでボカされたカムサツカの沿線が、するすると八ツ目鰻のように延びて見えた。
沖合四浬のところで、博光丸が錨を下ろした。三浬までロシアの領海なので、それ以内に入ることは出来ない「ことになっていた」。
網さばきが終って、いつからでも蟹漁が出来るように準備が出来た。カムサツカの夜明けは二時頃なので、漁夫達はすっかり身支度をし、股までのゴム靴をはいたまま、折箱の中に入って、ゴロ寝をした。
周旋屋にだまされて、連れてこられた東京の学生上りは、こんな筈がなかった、とブツブツ言っていた。
「独り寝だなんて、ウマイ事言いやがって!」
「ちげえねえ、独り寝さ。ゴロ寝だもの」
学生は十七、八人来ていた。六十円を前借りすることに決... | カムサツカの夜明けは二時頃なので、漁夫達はすっかり身支度をし、股までのゴム靴をはいたまま、何をしたか。 | カムサツカの夜明けは二時頃なので、漁夫達はすっかり身支度をし、股までのゴム靴をはいたまま、折箱の中に入って、ゴロ寝をした。 |
JCRRAG_011133 | 国語 | 霧雨が何日も上らない。それでボカされたカムサツカの沿線が、するすると八ツ目鰻のように延びて見えた。
沖合四浬のところで、博光丸が錨を下ろした。三浬までロシアの領海なので、それ以内に入ることは出来ない「ことになっていた」。
網さばきが終って、いつからでも蟹漁が出来るように準備が出来た。カムサツカの夜明けは二時頃なので、漁夫達はすっかり身支度をし、股までのゴム靴をはいたまま、折箱の中に入って、ゴロ寝をした。
周旋屋にだまされて、連れてこられた東京の学生上りは、こんな筈がなかった、とブツブツ言っていた。
「独り寝だなんて、ウマイ事言いやがって!」
「ちげえねえ、独り寝さ。ゴロ寝だもの」
学生は十七、八人来ていた。六十円を前借りすることに決... | 彼らは青鬼、赤鬼の中に取り巻かれた亡者のように、どうなっていたか。 | 彼らは青鬼、赤鬼の中に取り巻かれた亡者のように、漁夫の中に一かたまりに固まっていた。 |
JCRRAG_011134 | 国語 | 「皆、寝たか一寸聞け。秩父丸が沈没したっていう無電が入ったんだ。生死の詳しいことは分らないそうだ」唇をゆがめて、唾をチェッとはいた。癖だった。
学生は給仕からきいたことが、すぐ頭にきた。自分が現に手をかけて殺した四、五百人の労働者の生命のことを、平気な顔で言う、海にタタキ込んでやっても足りない奴だ、と思った。皆はムクムクと頭をあげた。急に、ザワザワお互いに話し出した。浅川はそれだけ言うと、左肩だけを前の方に振って、出て行った。
行衛の分らなかった雑夫が、二日前にボイラーの側から出てきたところをつかまえた。二日隠れていたけれども、腹が減って、腹が減って、どうにも出来ず、出て来たのだった。捕ったのは中年過ぎの漁夫だった。若い漁夫がその漁... | 浅川は「皆、寝たか一寸聞け。秩父丸が沈没したっていう無電が入ったんだ。生死の詳しいことは分らないそうだ」と言うと、どうしたか。 | 浅川は「皆、寝たか一寸聞け。秩父丸が沈没したっていう無電が入ったんだ。生死の詳しいことは分らないそうだ」と言うと、左肩だけを前の方に振って、出て行った。 |
JCRRAG_011135 | 国語 | 「皆、寝たか一寸聞け。秩父丸が沈没したっていう無電が入ったんだ。生死の詳しいことは分らないそうだ」唇をゆがめて、唾をチェッとはいた。癖だった。
学生は給仕からきいたことが、すぐ頭にきた。自分が現に手をかけて殺した四、五百人の労働者の生命のことを、平気な顔で言う、海にタタキ込んでやっても足りない奴だ、と思った。皆はムクムクと頭をあげた。急に、ザワザワお互いに話し出した。浅川はそれだけ言うと、左肩だけを前の方に振って、出て行った。
行衛の分らなかった雑夫が、二日前にボイラーの側から出てきたところをつかまえた。二日隠れていたけれども、腹が減って、腹が減って、どうにも出来ず、出て来たのだった。捕ったのは中年過ぎの漁夫だった。若い漁夫がその漁... | 若い漁夫がその漁夫を何と言って、怒ったか。 | 若い漁夫がその漁夫をなぐりつけると言って、怒った。 |
JCRRAG_011136 | 国語 | 「皆、寝たか一寸聞け。秩父丸が沈没したっていう無電が入ったんだ。生死の詳しいことは分らないそうだ」唇をゆがめて、唾をチェッとはいた。癖だった。
学生は給仕からきいたことが、すぐ頭にきた。自分が現に手をかけて殺した四、五百人の労働者の生命のことを、平気な顔で言う、海にタタキ込んでやっても足りない奴だ、と思った。皆はムクムクと頭をあげた。急に、ザワザワお互いに話し出した。浅川はそれだけ言うと、左肩だけを前の方に振って、出て行った。
行衛の分らなかった雑夫が、二日前にボイラーの側から出てきたところをつかまえた。二日隠れていたけれども、腹が減って、腹が減って、どうにも出来ず、出て来たのだった。捕ったのは中年過ぎの漁夫だった。若い漁夫がその漁... | 雑夫は監督にシャツ一枚にされると、どのようなことをされたか。 | 雑夫は監督にシャツ一枚にされると、二つあるうちの一つの方の便所に押し込まれて、表から錠を下ろされた。 |
JCRRAG_011137 | 国語 | 「皆、寝たか一寸聞け。秩父丸が沈没したっていう無電が入ったんだ。生死の詳しいことは分らないそうだ」唇をゆがめて、唾をチェッとはいた。癖だった。
学生は給仕からきいたことが、すぐ頭にきた。自分が現に手をかけて殺した四、五百人の労働者の生命のことを、平気な顔で言う、海にタタキ込んでやっても足りない奴だ、と思った。皆はムクムクと頭をあげた。急に、ザワザワお互いに話し出した。浅川はそれだけ言うと、左肩だけを前の方に振って、出て行った。
行衛の分らなかった雑夫が、二日前にボイラーの側から出てきたところをつかまえた。二日隠れていたけれども、腹が減って、腹が減って、どうにも出来ず、出て来たのだった。捕ったのは中年過ぎの漁夫だった。若い漁夫がその漁... | 仕事を終えた漁夫が、気掛りで直ぐ便所のところへ行ったが、何か音は聞こえたか。 | 仕事を終えた漁夫が、気掛りで直ぐ便所のところへ行ったが、もうドアを内側から叩きつける音もしていなかった。 |
JCRRAG_011138 | 国語 | 朝は寒かった。明るくなってはいたが、まだ三時だった。かじかんだ手を懐につっこみながら、背をまるくして起き上ってきた。監督は雑夫や漁夫、水夫、火夫の部屋まで見て歩いて、風邪をひいているものも、病気のものも、かまわず引きずり出した。
風は無かったが、甲板で仕事をしていると、手と足の先きが擂粉木のように感覚が無くなった。雑夫長が大声で悪態をつきながら、十四、五人の雑夫を工場に追い込んでいた。彼の持っている竹の先きには皮がついていた。それは工場で怠けているものを機械の枠越しに、向う側でもなぐりつけることが出来るように、造られていた。
「昨夜出されたきりで、ものも言えない宮口を今朝からどうしても働かさなけアならないって、さっき足で蹴ってるんだ... | 監督は雑夫や漁夫、水夫、火夫の部屋まで見て歩いて、何をしたか。 | 監督は雑夫や漁夫、水夫、火夫の部屋まで見て歩いて、風邪をひいているものも、病気のものも、かまわず引きずり出した。 |
JCRRAG_011139 | 国語 | 朝は寒かった。明るくなってはいたが、まだ三時だった。私はかじかんだ手を懐につっこみながら、背をまるくして起き上ってきた。監督は雑夫や漁夫、水夫、火夫の部屋まで見て歩いて、風邪をひいているものも、病気のものも、かまわず引きずり出した。
風は無かったが、甲板で仕事をしていると、手と足の先きが擂粉木のように感覚が無くなった。雑夫長が大声で悪態をつきながら、十四、五人の雑夫を工場に追い込んでいた。彼の持っている竹の先きには皮がついていた。それは工場で怠けているものを機械の枠越しに、向う側でもなぐりつけることが出来るように、造られていた。
「昨夜出されたきりで、ものも言えない宮口を今朝からどうしても働かさなけアならないって、さっき足で蹴ってる... | 風は無かったが、私が甲板で仕事をしていると、手と足の先きがどうなったか。 | 風は無かったが、私が甲板で仕事をしていると、手と足の先きが擂粉木のように感覚が無くなった。 |
JCRRAG_011140 | 国語 | 出漁のために、川崎船をウインチから降していた漁夫達は、その二人を何も言えず、見送っていた。四十位の漁夫は、見ていられないという風に、顔をそむけると、イヤイヤをするように頭をゆるく二、三度振った。
「風邪をひいてもらったり、不貞寝をされてもらったりするために、高い金払って連れて来たんじゃないんだぜ。馬鹿野郎、余計なものを見なくたっていい!」
監督が甲板を棍棒で叩いた。
「監獄だって、これより悪かったら、お目にかからないで!」
「こんなこと内地さ帰って、なんぼ話したって本当にしねんだ」
「んさ。こったら事って第一あるか」
スティムでウインチがガラガラ廻わり出した。川崎船は身体を空にゆすりながら、一斉に降り始めた。水夫や火夫も狩り立てられ... | 出漁のために、川崎船をウインチから降していた漁夫達は、どのような行動をとったか。 | 出漁のために、川崎船をウインチから降していた漁夫達は、その二人を何も言えず、見送っていた。 |
JCRRAG_011141 | 国語 | 出漁のために、川崎船をウインチから降していた漁夫達は、その二人を何も言えず、見送っていた。四十位の漁夫は、見ていられないという風に、顔をそむけると、イヤイヤをするように頭をゆるく二、三度振った。
「風邪をひいてもらったり、不貞寝をされてもらったりするために、高い金払って連れて来たんじゃないんだぜ。馬鹿野郎、余計なものを見なくたっていい!」
監督が甲板を棍棒で叩いた。
「監獄だって、これより悪かったら、お目にかからないで!」
「こんなこと内地さ帰って、なんぼ話したって本当にしねんだ」
「んさ。こったら事って第一あるか」
スティムでウインチがガラガラ廻わり出した。川崎船は身体を空にゆすりながら、一斉に降り始めた。水夫や火夫も狩り立てられ... | 四十位の漁夫は、見ていられないという風に、顔をそむけると、どのような行動をとったか。 | 四十位の漁夫は、見ていられないという風に、顔をそむけると、イヤイヤをするように頭をゆるく二、三度振った。 |
JCRRAG_011142 | 国語 | 出漁のために、川崎船をウインチから降していた漁夫達は、その二人を何も言えず、見送っていた。四十位の漁夫は、見ていられないという風に、顔をそむけると、イヤイヤをするように頭をゆるく二、三度振った。
「風邪をひいてもらったり、不貞寝をされてもらったりするために、高い金払って連れて来たんじゃないんだぜ。馬鹿野郎、余計なものを見なくたっていい!」
監督が甲板を棍棒で叩いた。
「監獄だって、これより悪かったら、お目にかからないで!」
「こんなこと内地さ帰って、なんぼ話したって本当にしねんだ」
「んさ。こったら事って第一あるか」
スティムでウインチがガラガラ廻わり出した。川崎船は身体を空にゆすりながら、一斉に降り始めた。水夫や火夫も狩り立てられ... | 監督が甲板を何で叩いたか。 | 監督が甲板を棍棒で叩いた。 |
JCRRAG_011143 | 国語 | 出漁のために、川崎船をウインチから降していた漁夫達は、その二人を何も言えず、見送っていた。四十位の漁夫は、見ていられないという風に、顔をそむけると、イヤイヤをするように頭をゆるく二、三度振った。
「風邪をひいてもらったり、不貞寝をされてもらったりするために、高い金払って連れて来たんじゃないんだぜ。馬鹿野郎、余計なものを見なくたっていい!」
監督が甲板を棍棒で叩いた。
「監獄だって、これより悪かったら、お目にかからないで!」
「こんなこと内地さ帰って、なんぼ話したって本当にしねんだ」
「んさ。こったら事って第一あるか」
スティムでウインチがガラガラ廻わり出した。川崎船は身体を空にゆすりながら、一斉に降り始めた。水夫や火夫も狩り立てられ... | 監督はどのように見廻ったか。 | 監督は鶏冠を立てた牡鶏のように見廻った。 |
JCRRAG_011144 | 国語 | 薄暗い機関室への降り口で、漁夫と水夫が固まり合って騒いでいた。斜め上から、船の動きの度に、チラチラ薄い光の束が洩れていた。興奮した漁夫の色々な顔が、瞬く間に浮き出て、消えた。
「どうした?」坑夫がその中に入り込んだ。
「浅川の野郎ば、なぐり殺すんだ!」殺気だっていた。
監督は実は今朝早く、本船から十哩ほど離れたところに碇っていた××丸から「突風」の警戒報を受け取っていた。それには若し川崎船が出ていたら、至急呼び戻すようにさえ附け加えていた。その時、「こんな事に一々ビク、ビクしていたら、このカムサツカまでワザワザ来て仕事なんか出来るかい」そう浅川の言ったことが、無線係から洩れた。
それを聞いた最初の漁夫は、無線係が浅川ででもあるように... | 薄暗い機関室への降り口で、漁夫と水夫が何をしていたか。 | 薄暗い機関室への降り口で、漁夫と水夫が固まり合って騒いでいた。 |
JCRRAG_011145 | 国語 | 薄暗い機関室への降り口で、漁夫と水夫が固まり合って騒いでいた。斜め上から、船の動きの度に、チラチラ薄い光の束が洩れていた。興奮した漁夫の色々な顔が、瞬く間に浮き出て、消えた。
「どうした?」坑夫がその中に入り込んだ。
「浅川の野郎ば、なぐり殺すんだ!」殺気だっていた。
監督は実は今朝早く、本船から十哩ほど離れたところに碇っていた××丸から「突風」の警戒報を受け取っていた。それには若し川崎船が出ていたら、至急呼び戻すようにさえ附け加えていた。その時、「こんな事に一々ビク、ビクしていたら、このカムサツカまでワザワザ来て仕事なんか出来るかい」そう浅川の言ったことが、無線係から洩れた。
それを聞いた最初の漁夫は、無線係が浅川ででもあるように... | 興奮した漁夫の色々な顔が、どのように現れたか。 | 興奮した漁夫の色々な顔が、瞬く間に浮き出て、消えた。 |
JCRRAG_011146 | 国語 | 薄暗い機関室への降り口で、漁夫と水夫が固まり合って騒いでいた。斜め上から、船の動きの度に、チラチラ薄い光の束が洩れていた。興奮した漁夫の色々な顔が、瞬く間に浮き出て、消えた。
「どうした?」坑夫がその中に入り込んだ。
「浅川の野郎ば、なぐり殺すんだ!」殺気だっていた。
監督は実は今朝早く、本船から十哩ほど離れたところに碇っていた××丸から「突風」の警戒報を受け取っていた。それには若し川崎船が出ていたら、至急呼び戻すようにさえ附け加えていた。その時、「こんな事に一々ビク、ビクしていたら、このカムサツカまでワザワザ来て仕事なんか出来るかい」そう浅川の言ったことが、無線係から洩れた。
それを聞いた最初の漁夫は、無線係が浅川ででもあるように... | 最初の漁夫は、どのように怒鳴りつけたか。 | 最初の漁夫は、無線係が浅川ででもあるように、怒鳴りつけた。 |
JCRRAG_011147 | 国語 | 薄暗い機関室への降り口で、漁夫と水夫が固まり合って騒いでいた。斜め上から、船の動きの度に、チラチラ薄い光の束が洩れていた。興奮した漁夫の色々な顔が、瞬く間に浮き出て、消えた。
「どうした?」坑夫がその中に入り込んだ。
「浅川の野郎ば、なぐり殺すんだ!」殺気だっていた。
監督は実は今朝早く、本船から十哩ほど離れたところに碇っていた××丸から「突風」の警戒報を受け取っていた。それには若し川崎船が出ていたら、至急呼び戻すようにさえ附け加えていた。その時、「こんな事に一々ビク、ビクしていたら、このカムサツカまでワザワザ来て仕事なんか出来るかい」そう浅川の言ったことが、無線係から洩れた。
それを聞いた最初の漁夫は、無線係が浅川ででもあるように... | 父親が川崎船で出ている雑夫が、どのような行動をしていたか。 | 父親が川崎船で出ている雑夫が、漁夫達の集っている輪の外をオドオドしていた。 |
JCRRAG_011148 | 国語 | 薄暗い機関室への降り口で、漁夫と水夫が固まり合って騒いでいた。斜め上から、船の動きの度に、チラチラ薄い光の束が洩れていた。興奮した漁夫の色々な顔が、瞬く間に浮き出て、消えた。
「どうした?」坑夫がその中に入り込んだ。
「浅川の野郎ば、なぐり殺すんだ!」殺気だっていた。
監督は実は今朝早く、本船から十哩ほど離れたところに碇っていた××丸から「突風」の警戒報を受け取っていた。それには若し川崎船が出ていたら、至急呼び戻すようにさえ附け加えていた。その時、「こんな事に一々ビク、ビクしていたら、このカムサツカまでワザワザ来て仕事なんか出来るかい」そう浅川の言ったことが、無線係から洩れた。
それを聞いた最初の漁夫は、無線係が浅川ででもあるように... | 頭の上でステイが絶え間なく鳴るのを聞いていると、漁夫の心はどうなったか。 | 頭の上で頭の上でステイが絶え間なく鳴るのを聞いていると、漁夫の心はギリ、ギリと切り裂かれた。 |
JCRRAG_011149 | 国語 | 朝早くから、機関部が急がしかった。錨を上げる震動が、錨室と背中合せになっている漁夫を煎豆のようにハネ飛ばした。サイドの鉄板がボロボロになって、その度にこぼれ落ちた。博光丸は北緯五十一度五分の所まで、錨をなげてきた第一号川崎船を捜索した。結氷の砕片が生きもののように、ゆるい波のうねりの間々に、ひょいひょい身体を見せて流れていた。が、所々その砕けた氷が見る限りの大きな集団をなして、あぶくを出しながら、船を見る見るうちに真中に取囲んでしまう、そんなことがあった。氷は湯気のような水蒸気をたてていた。と、扇風機にでも吹かれるように「寒気」が襲ってきた。船のあらゆる部分が急にカリッ、カリッと鳴り出すと、水に濡れていた甲板や手すりに、氷が張ってし... | 朝早くから、機関部がどのような状態だったか。 | 朝早くから、機関部が急がしかった。 |
JCRRAG_011150 | 国語 | 朝早くから、機関部が急がしかった。錨を上げる震動が、錨室と背中合せになっている漁夫を煎豆のようにハネ飛ばした。サイドの鉄板がボロボロになって、その度にこぼれ落ちた。博光丸は北緯五十一度五分の所まで、錨をなげてきた第一号川崎船を捜索した。結氷の砕片が生きもののように、ゆるい波のうねりの間々に、ひょいひょい身体を見せて流れていた。が、所々その砕けた氷が見る限りの大きな集団をなして、あぶくを出しながら、船を見る見るうちに真中に取囲んでしまう、そんなことがあった。氷は湯気のような水蒸気をたてていた。と、扇風機にでも吹かれるように「寒気」が襲ってきた。船のあらゆる部分が急にカリッ、カリッと鳴り出すと、水に濡れていた甲板や手すりに、氷が張ってし... | 錨を上げる震動が、錨室と背中合せになっている漁夫をどのようにハネ飛ばしたか。 | 錨を上げる震動が、錨室と背中合せになっている漁夫を煎豆のようにハネ飛ばした。 |
JCRRAG_011151 | 国語 | 朝早くから、機関部が急がしかった。錨を上げる震動が、錨室と背中合せになっている漁夫を煎豆のようにハネ飛ばした。サイドの鉄板がボロボロになって、その度にこぼれ落ちた。博光丸は北緯五十一度五分の所まで、錨をなげてきた第一号川崎船を捜索した。結氷の砕片が生きもののように、ゆるい波のうねりの間々に、ひょいひょい身体を見せて流れていた。が、所々その砕けた氷が見る限りの大きな集団をなして、あぶくを出しながら、船を見る見るうちに真中に取囲んでしまう、そんなことがあった。氷は湯気のような水蒸気をたてていた。と、扇風機にでも吹かれるように「寒気」が襲ってきた。船のあらゆる部分が急にカリッ、カリッと鳴り出すと、水に濡れていた甲板や手すりに、氷が張ってし... | 博光丸は北緯五十一度五分の所まで、何を捜索したか。 | 博光丸は北緯五十一度五分の所まで、錨をなげてきた第一号川崎船を捜索した。 |
JCRRAG_011152 | 国語 | 朝早くから、機関部が急がしかった。錨を上げる震動が、錨室と背中合せになっている漁夫を煎豆のようにハネ飛ばした。サイドの鉄板がボロボロになって、その度にこぼれ落ちた。博光丸は北緯五十一度五分の所まで、錨をなげてきた第一号川崎船を捜索した。結氷の砕片が生きもののように、ゆるい波のうねりの間々に、ひょいひょい身体を見せて流れていた。が、所々その砕けた氷が見る限りの大きな集団をなして、あぶくを出しながら、船を見る見るうちに真中に取囲んでしまう、そんなことがあった。氷は湯気のような水蒸気をたてていた。と、扇風機にでも吹かれるように「寒気」が襲ってきた。船のあらゆる部分が急にカリッ、カリッと鳴り出すと、水に濡れていた甲板や手すりに、氷が張ってし... | 結氷の砕片がどのように流れていたか。 | 結氷の砕片が生きもののように、ゆるい波のうねりの間々に、ひょいひょい身体を見せて流れていた。 |
JCRRAG_011153 | 国語 | 朝早くから、機関部が急がしかった。錨を上げる震動が、錨室と背中合せになっている漁夫を煎豆のようにハネ飛ばした。サイドの鉄板がボロボロになって、その度にこぼれ落ちた。博光丸は北緯五十一度五分の所まで、錨をなげてきた第一号川崎船を捜索した。結氷の砕片が生きもののように、ゆるい波のうねりの間々に、ひょいひょい身体を見せて流れていた。が、所々その砕けた氷が見る限りの大きな集団をなして、あぶくを出しながら、船を見る見るうちに真中に取囲んでしまう、そんなことがあった。氷は湯気のような水蒸気をたてていた。と、扇風機にでも吹かれるように「寒気」が襲ってきた。船のあらゆる部分が急にカリッ、カリッと鳴り出すと、水に濡れていた甲板や手すりに、氷が張ってし... | 九時近い頃になって、ブリッジから、前方に川崎船が何艘浮かんでいるのを発見したか。 | 九時近い頃になって、ブリッジから、前方に川崎船が一艘浮かんでいるのを発見した。 |
JCRRAG_011154 | 国語 | 行衛不明になった川崎船は帰らない。漁夫達は、そこだけが水溜まりのようにポツンと空いた棚から、残して行った彼等の荷物や、家族のいる住所をしらべたり、それぞれ万一の時に直ぐ処置が出来るように取り纏めた。気持のいいことではなかった。それをしていると、漁夫達は、まるで自分の痛い何処かを、覗きこまれているようなつらさを感じた。中積船が来たら托送しようと、同じ苗字の女名前がその宛先になっている小包や手紙が、彼等の荷物の中から出てきた。そのうちの一人の荷物の中から、片仮名と平仮名の交った、鉛筆をなめり、なめり書いた手紙が出た。それが無骨な漁夫の手から、手へ渡されて行った。彼等は豆粒でも拾うように、ボツリ、ボツリ、然しむさぼるように、それを読んでし... | 行衛不明になった川崎船はどうなるか。 | 行衛不明になった川崎船は帰らない。 |
JCRRAG_011155 | 国語 | 行衛不明になった川崎船は帰らない。漁夫達は、そこだけが水溜まりのようにポツンと空いた棚から、残して行った彼等の荷物や、家族のいる住所をしらべたり、それぞれ万一の時に直ぐ処置が出来るように取り纏めた。気持のいいことではなかった。それをしていると、漁夫達は、まるで自分の痛い何処かを、覗きこまれているようなつらさを感じた。中積船が来たら托送しようと、同じ苗字の女名前がその宛先になっている小包や手紙が、彼等の荷物の中から出てきた。そのうちの一人の荷物の中から、片仮名と平仮名の交った、鉛筆をなめり、なめり書いた手紙が出た。それが無骨な漁夫の手から、手へ渡されて行った。彼等は豆粒でも拾うように、ボツリ、ボツリ、然しむさぼるように、それを読んでし... | 漁夫達は、そこだけが水溜まりのようにポツンと空いた棚から、何をして、それぞれ万一の時に直ぐ処置が出来るように取り纏めたか。 | 漁夫達は、そこだけが水溜まりのようにポツンと空いた棚から、残して行った彼等の荷物や、家族のいる住所をしらべたり、それぞれ万一の時に直ぐ処置が出来るように取り纏めた。 |
JCRRAG_011156 | 国語 | 二人は扉をあけて中にはいりました。
扉の裏側には、大きな字でこう書いてありました。
「いろいろ注文が多くてうるさかったですよね。お気の毒でした。
もうこれだけです。どうかからだ中に、壺の中の塩をたくさんよくもみ込んでください。」
なるほど立派な青い瀬戸の塩壺は置いてありましたが、こんどというこんどは二人ともぎょっとしてお互いにクリームをたくさん塗った顔を見ました。
「どうもおかしいぜ。」
「ぼくもおかしいとおもう。」
「たくさんの注文というのは、向こうがこっちへ注文してるんだよ。」
「だからさ、西洋料理店というのは、ぼくの考えるところでは、西洋料理を、来た人にたべさせるのではなくて、来た人を西洋料理にして、食べてやる家というこ... | 部屋はけむりのように消え、二人は寒さにぶるぶるふるえて、どこに立っていましたか。 | 部屋はけむりのように消え、二人は寒さにぶるぶるふるえて、草の中に立っていました。 |
JCRRAG_011157 | 国語 | 二人は扉をあけて中にはいりました。
扉の裏側には、大きな字でこう書いてありました。
「いろいろ注文が多くてうるさかったですよね。お気の毒でした。
もうこれだけです。どうかからだ中に、壺の中の塩をたくさんよくもみ込んでください。」
なるほど立派な青い瀬戸の塩壺は置いてありましたが、こんどというこんどは二人ともぎょっとしてお互いにクリームをたくさん塗った顔を見ました。
「どうもおかしいぜ。」
「ぼくもおかしいとおもう。」
「たくさんの注文というのは、向こうがこっちへ注文してるんだよ。」
「だからさ、西洋料理店というのは、ぼくの考えるところでは、西洋料理を、来た人にたべさせるのではなくて、来た人を西洋料理にして、食べてやる家というこ... | 何をかぶった専門の猟師が、草をざわざわ分けてやってきましたか。 | 簔帽子をかぶった専門の猟師が、草をざわざわ分けてやってきました。 |
JCRRAG_011158 | 国語 | 「どうですか。訳はないでしょう。今度は、このランプをごらんなさい。」
ミスラ君はこう言いながら、ちょいとテーブルの上のランプを置き直しましたが、その拍子にどういう訳か、ランプはまるでコマのように、ぐるぐる回り始めました。それもちゃんと一か所に止まったまま、ホヤを心棒のようにして、勢いよく回り始めたのです。はじめの内は私も大層驚いて、万が一にでも火事になっては大変だと、何度もひやひやしましたが、ミスラ君は静かに紅茶を飲みながら、一向に騒ぐようすもありません。そこで私もしまいには、すっかり度胸がすわってしまって、だんだん早くなるランプの運動を、眼も離さず眺めていました。
また実際ランプの蓋が風を起こして回る中に、黄色い焔がたった一つ... | 私も大層驚いて、万が一にでも何になっては大変だと、何度もひやひやしましたか。 | 私も大層驚いて、万が一にでも火事になっては大変だと、何度もひやひやしました。 |
JCRRAG_011159 | 国語 | 「どうですか。訳はないでしょう。今度は、このランプをごらんなさい。」
ミスラ君はこう言いながら、ちょいとテーブルの上のランプを置き直しましたが、その拍子にどういう訳か、ランプはまるでコマのように、ぐるぐる回り始めました。それもちゃんと一か所に止まったまま、ホヤを心棒のようにして、勢いよく回り始めたのです。はじめの内は私も大層驚いて、万が一にでも火事になっては大変だと、何度もひやひやしましたが、ミスラ君は静かに紅茶を飲みながら、一向に騒ぐようすもありません。そこで私もしまいには、すっかり度胸がすわってしまって、だんだん早くなるランプの運動を、眼も離さず眺めていました。
また実際ランプの蓋が風を起こして回る中に、黄色い焔がたった一つ... | 私もしまいには、すっかり度胸がすわってしまって、だんだん早くなる何の運動を、眼も離さず眺めていましたか。 | 私もしまいには、すっかり度胸がすわってしまって、だんだん早くなるランプの運動を、眼も離さず眺めていました。 |
JCRRAG_011160 | 国語 | その頃の風穂の野原は、ほんとうに立派でした。
青い萱や光る茨やけむりのような穂を出す草で一杯、それにあちこちには栗の木やハンノキの小さな林もありました。
野原は今は練兵場や粟の畑や苗畑などになってそれでも騎兵の馬が光ったり、白いシャツの人が働いたり、汽車で通ってもなかなか奇麗ですけれども、前はまだまだ立派でした。
九月になると私どもは毎日野原に出掛けました。そして私は藤原慶次郎といっしょに出て行きました。町の方の子供らが出て来るのは日曜日に限っていましたから私どもはどんな日でも初蕈や栗をたくさんとりました。ずいぶん遠くまでも行ったのですが日曜には一層遠くまで出掛けました。
ところが、九月の末のある日曜でしたが、朝早く私が慶次... | 私どもが毎日野原に出掛けたのは何月ですか。 | 私どもが毎日野原に出掛けたのは九月です。 |
JCRRAG_011161 | 国語 | その頃の風穂の野原は、ほんとうに立派でした。
青い萱や光る茨やけむりのような穂を出す草で一杯、それにあちこちには栗の木やハンノキの小さな林もありました。
野原は今は練兵場や粟の畑や苗畑などになってそれでも騎兵の馬が光ったり、白いシャツの人が働いたり、汽車で通ってもなかなか奇麗ですけれども、前はまだまだ立派でした。
九月になると私どもは毎日野原に出掛けました。そして私は藤原慶次郎といっしょに出て行きました。町の方の子供らが出て来るのは日曜日に限っていましたから私どもはどんな日でも初蕈や栗をたくさんとりました。ずいぶん遠くまでも行ったのですが日曜には一層遠くまで出掛けました。
ところが、九月の末のある日曜でしたが、朝早く私が慶次... | 朝早く私が慶次郎をさそっていつものように野原の入口にかけたら、何がみちばたの栗の木の前に出ていましたか。 | 朝早く私が慶次郎をさそっていつものように野原の入口にかけたら、一本の白い立札がみちばたの栗の木の前に出ていました。 |
JCRRAG_011162 | 国語 | 【天狗】室生犀星
城下の町なみは、古い樹木に囲まれていたため、よく、小間使いや女中、火の見仲間などが、夕方近い、うす暗がりのなかで、膝がしらを斬られた。何か小石のようなものに躓いたような気がすると、新月がたの、きれ傷が、よく白い脛に紅い血を走らせた。それはかまいたちに違いないと人々は言っていたが、そのかまいたちという名のことで、赤星重右のことが、どういう屋敷でも、口の上にのぼった。
城下の北はずれの台所町に、いつごろから流れ込んだものか、赤星重右という、名もない剣客が住んでいた。ふしぎなことには、かれが通り合せると、必ず彼の不機嫌なときには、きまって向脛を切られた。というより不意に、足や額に痛みを感じ、感じるときはもう額ぎわを切... | 城下の北はずれの台所町に住んでいた剣客は誰ですか。 | 城下の北はずれの台所町に住んでいた剣客は、赤星重右でした。 |
JCRRAG_011163 | 国語 | 【天狗】室生犀星
城下の町なみは、古い樹木に囲まれていたため、よく、小間使いや女中、火の見仲間などが、夕方近い、うす暗がりのなかで、膝がしらを斬られた。何か小石のようなものに躓いたような気がすると、新月がたの、きれ傷が、よく白い脛に紅い血を走らせた。それはかまいたちに違いないと人々は言っていたが、そのかまいたちという名のことで、赤星重右のことが、どういう屋敷でも、口の上にのぼった。
城下の北はずれの台所町に、いつごろから流れ込んだものか、赤星重右という、名もない剣客が住んでいた。ふしぎなことには、かれが通り合せると、必ず彼の不機嫌なときには、きまって向脛を切られた。というより不意に、足や額に痛みを感じ、感じるときはもう額ぎわを切... | 城内では、赤星重右をどのように封じると決議されましたか。 | 城内では、赤星重右を西方の、大乗寺山の奥峰にあたる、黒壁という山頂の小さい社を中心にして九万歩の地所をあたえるという名義で、赤星を封じることに決議されました。 |
JCRRAG_011164 | 国語 | 【天狗】室生犀星
城下の町なみは、古い樹木に囲まれていたため、よく、小間使いや女中、火の見仲間などが、夕方近い、うす暗がりのなかで、膝がしらを斬られた。何か小石のようなものに躓いたような気がすると、新月がたの、きれ傷が、よく白い脛に紅い血を走らせた。それはかまいたちに違いないと人々は言っていたが、そのかまいたちという名のことで、赤星重右のことが、どういう屋敷でも、口の上にのぼった。
城下の北はずれの台所町に、いつごろから流れ込んだものか、赤星重右という、名もない剣客が住んでいた。ふしぎなことには、かれが通り合せると、必ず彼の不機嫌なときには、きまって向脛を切られた。というより不意に、足や額に痛みを感じ、感じるときはもう額ぎわを切... | 荒廃した堂宇に、何を奉納しましたか。 | 荒廃した堂宇に多くの天狗の額を奉納しました。 |
JCRRAG_011165 | 国語 | 【天狗】室生犀星
城下の町なみは、古い樹木に囲まれていたため、よく、小間使いや女中、火の見仲間などが、夕方近い、うす暗がりのなかで、膝がしらを斬られた。何か小石のようなものに躓いたような気がすると、新月がたの、きれ傷が、よく白い脛に紅い血を走らせた。それはかまいたちに違いないと人々は言っていたが、そのかまいたちという名のことで、赤星重右のことが、どういう屋敷でも、口の上にのぼった。
城下の北はずれの台所町に、いつごろから流れ込んだものか、赤星重右という、名もない剣客が住んでいた。ふしぎなことには、かれが通り合せると、必ず彼の不機嫌なときには、きまって向脛を切られた。というより不意に、足や額に痛みを感じ、感じるときはもう額ぎわを切... | 菊坂長政は、何派でしたか。 | 菊坂長政は、蘭医派でした。 |
JCRRAG_011166 | 社内規定 | 労働条件の明示
労働契約を締結する際は、従業員に対し、就業の場所に関する事項等を明示することとなっており、就労の開始日からテレワークを行わせることとする場合には、従業員に対して、就業の場所として、自宅やサテライトオフィスなど、テレワークを行う場所を明示する必要があります。
また、従業員が就労の開始後にテレワークを行うことを予定している場合には、テレワークを行うことが可能である場所を明示しておくことが望ましいです。
【労働基準法】
(労働条件の明示)
第15条 使用者は、労働契約の締結に際し、労働者に対して賃金、労働時間その他の労働条件を明示しなければならない。この
場合において、賃金及び労働時間に関する事項その他の厚生労働省令... | 新たにテレワーク勤務を導入する場合は既存の就業規則にテレワーク規則を入れる必要があるのか、もしくは新しくテレワーク就業規程を作る必要があるか。 | どちらにするのかは、個々の会社の判断となります。 |
JCRRAG_011167 | 社内規定 | 労働条件の明示
労働契約を締結する際は、従業員に対し、就業の場所に関する事項等を明示することとなっており、就労の開始日からテレワークを行わせることとする場合には、従業員に対して、就業の場所として、自宅やサテライトオフィスなど、テレワークを行う場所を明示する必要があります。
また、従業員が就労の開始後にテレワークを行うことを予定している場合には、テレワークを行うことが可能である場所を明示しておくことが望ましいです。
【労働基準法】
(労働条件の明示)
第15条 使用者は、労働契約の締結に際し、労働者に対して賃金、労働時間その他の労働条件を明示しなければならない。この
場合において、賃金及び労働時間に関する事項その他の厚生労働省令... | テレワーク勤務の就業規則を作るなら自宅勤務用だけで良いか。 | テレワーク勤務規程は、就労形態により「在宅勤務規程」、「サテライトオフィス勤務規程」、「モバイル勤務規程」の3つの規程が考えられます。 |
JCRRAG_011168 | 社内規定 | 労働条件の明示
労働契約を締結する際は、従業員に対し、就業の場所に関する事項等を明示することとなっており、就労の開始日からテレワークを行わせることとする場合には、従業員に対して、就業の場所として、自宅やサテライトオフィスなど、テレワークを行う場所を明示する必要があります。
また、従業員が就労の開始後にテレワークを行うことを予定している場合には、テレワークを行うことが可能である場所を明示しておくことが望ましいです。
【労働基準法】
(労働条件の明示)
第15条 使用者は、労働契約の締結に際し、労働者に対して賃金、労働時間その他の労働条件を明示しなければならない。この
場合において、賃金及び労働時間に関する事項その他の厚生労働省令... | ワーケーションはテレワーク勤務に分類できるか。 | 「ワーケーション」についても、情報通信技術を利用して仕事を行う場合には、モバイル勤務、サテライトオフィス勤務の一形態として分類することができます。 |
JCRRAG_011169 | 社内規定 | 労働条件の明示
労働契約を締結する際は、従業員に対し、就業の場所に関する事項等を明示することとなっており、就労の開始日からテレワークを行わせることとする場合には、従業員に対して、就業の場所として、自宅やサテライトオフィスなど、テレワークを行う場所を明示する必要があります。
また、従業員が就労の開始後にテレワークを行うことを予定している場合には、テレワークを行うことが可能である場所を明示しておくことが望ましいです。
【労働基準法】
(労働条件の明示)
第15条 使用者は、労働契約の締結に際し、労働者に対して賃金、労働時間その他の労働条件を明示しなければならない。この
場合において、賃金及び労働時間に関する事項その他の厚生労働省令... | サテライトオフィス勤務とはなんですか。 | 所属するオフィス以外の他のオフィスや遠隔勤務用の施設を就業場所とする働き方です。 |
JCRRAG_011170 | 社内規定 | 就業規則に委任規定を設ける場合
第○条 この規則は、○○株式会社の従業員に適用する。
2 パートタイム従業員の就業に関する事項については、別に定めるところによる。
3 前項については、別に定める規則に定めのない事項は、この規則を適用する。
4 従業員のテレワーク勤務(在宅勤務、サテライトオフィス勤務及びモバイル勤務をいう。以下同じ。)に関する事項については、この規則に定めるもののほか別に定めるところによる。
第4項は、テレワーク勤務について別規程を設ける場合の委任規定例です。
テレワーク勤務の定義
テレワーク勤務規程(在宅勤務の定義)
第2条 在宅勤務とは、従業員の自宅、その他自宅に準じる場所(会社の認めた場所に限る。)に... | 在宅勤務の定義を教えてください。 | 在宅勤務とは、従業員の自宅、その他自宅に準じる場所(会社の認めた場所に限る。)において情報通信機器を利用した業務をいう。 |
JCRRAG_011171 | 社内規定 | 就業規則に委任規定を設ける場合
第○条 この規則は、○○株式会社の従業員に適用する。
2 パートタイム従業員の就業に関する事項については、別に定めるところによる。
3 前項については、別に定める規則に定めのない事項は、この規則を適用する。
4 従業員のテレワーク勤務(在宅勤務、サテライトオフィス勤務及びモバイル勤務をいう。以下同じ。)に関する事項については、この規則に定めるもののほか別に定めるところによる。
第4項は、テレワーク勤務について別規程を設ける場合の委任規定例です。
テレワーク勤務の定義
テレワーク勤務規程(在宅勤務の定義)
第2条 在宅勤務とは、従業員の自宅、その他自宅に準じる場所(会社の認めた場所に限る。)に... | 親の介護先でテレワーク勤務している場合も自宅勤務になるか。 | 在宅勤務者の定義としては、「自宅」のほかに、「その他自宅に準じる場所」を勤務場所としていますが、自宅に準じる場所とは、例えば、従業員が自宅以外の場所で親の介護などを行っている場合は、介護している親の家が考えられます。 |
JCRRAG_011172 | 社内規定 | テレワーク勤務の対象者は、規定において明確化することが望ましいです。
なお、テレワークは労働者が私的な生活空間を就労場所として提供する側面があるため、実際にテレワークを実施するに当たっては、従業員本人の納得の上で、実施を図る必要があります。
また、短時間労働者及び有期雇用労働者の雇用管理の改善等に関する法律(平成5年法律第76 号)及び労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律(昭和60 年法律第88 号)に基づき、正規雇用労働者と非正規雇用労働者との間で、あらゆる待遇について不合理な待遇差を設けてはならないこととされています。
テレワークの対象者を選定するに当たって、正規雇用労働者、非正規雇用労働者とい... | 正規雇用労働者、非正規雇用労働者といった雇用形態の違いでテレワーク勤務を決めても良いか。 | 短時間労働者及び有期雇用労働者の雇用管理の改善等に関する法律(平成5年法律第76 号)及び労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律(昭和60 年法律第88 号)に基づき、正規雇用労働者と非正規雇用労働者との間で、あらゆる待遇について不合理な待遇差を設けてはならないこととされています。テレワークの対象者を選定するに当たって、正規雇用労働者、非正規雇用労働者といった雇用形態の違いのみを理由としてテレワーク対象者から除外することはこれらの法律に違反する可能性があります。 |
JCRRAG_011173 | 社内規定 | テレワーク勤務の対象者は、規定において明確化することが望ましいです。
なお、テレワークは労働者が私的な生活空間を就労場所として提供する側面があるため、実際にテレワークを実施するに当たっては、従業員本人の納得の上で、実施を図る必要があります。
また、短時間労働者及び有期雇用労働者の雇用管理の改善等に関する法律(平成5年法律第76 号)及び労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律(昭和60 年法律第88 号)に基づき、正規雇用労働者と非正規雇用労働者との間で、あらゆる待遇について不合理な待遇差を設けてはならないこととされています。
テレワークの対象者を選定するに当たって、正規雇用労働者、非正規雇用労働者とい... | 従業員が納得しなくてもテレワーク勤務をさせても良いか。 | テレワークは労働者が私的な生活空間を就労場所として提供する側面があるため、実際にテレワークを実施するに当たっては、従業員本人の納得の上で、実施を図る必要があります。 |
JCRRAG_011174 | 社内規定 | 対象者に制限を設ける規定例
テレワーク勤務規程(在宅勤務の対象者)
第3条 在宅勤務の対象者は、就業規則第〇条に規定する従業員であって次の各号の条件を全て満たした者とする。
(1)在宅勤務を希望する者
(2)自宅での業務が円滑に遂行できると認められる者
(3)自宅の執務環境及びセキュリティ環境が適正と認められる者
2 在宅勤務を希望する者は、所定の許可申請書に必要事項を記入の上、1週間前までに所属長から許可を受けなければならない。
3 会社は、業務上その他の事由により、前項による在宅勤務の許可を取り消すことがある。
4 第2項により在宅勤務の許可を受けた者が在宅勤務を行う場合は、前日までに所属長へ実施を届け出ること
規... | テレワーク勤務希望者の規程に勤続年数を設定することもできるか。 | 会社の実情によって勤続年数を設定することもできますし、対象者の自律性には言及しないで勤続年数だけに限定することもできます。 |
JCRRAG_011175 | 社内規定 | 職能資格制度とは
職能資格制度とは、職務を遂行する能力を基準に社員を評価し、給与算定の基礎となる等級を定める制度です。ただし、職務遂行力で個人を評価する一方で、経験に比例して等級が上がっていく側面もあり、勤続年数が多いほど高い職能があるとみなされます。したがって、等級が下がることは基本的にありません。
日本で誕生した人事評価制度で、職能資格制度、職務等級制度、役割等級制度と3種類ある等級制度の中では、最も国内で普及したものといえます。戦後、年功序列や終身雇用制の考え方が広まっていった日本の企業と相性が良く、1970年代頃に定着していきました。
職務等級制度との違い
職能資格制度と似た制度に、職務等級制度があります。職能資格制度が... | 職能資格制度とは何ですか。 | 職能資格制度とは、職務を遂行する能力を基準に社員を評価し、給与算定の基礎となる等級を定める制度です。ただし、職務遂行力で個人を評価する一方で、経験に比例して等級が上がっていく側面もあり、勤続年数が多いほど高い職能があるとみなされます。 |
JCRRAG_011176 | 社内規定 | 1 就業規則の意義
労働者が安心して働ける明るい職場を作ることは、事業規模や業種を問わず、すべての事業場にとって重要なことです。そのためには、あらかじめ就業規則で労働時間や賃金をはじめ、人事・服務規律など、労働者の労働条件や待遇の基準をはっきりと定め、労使間でトラブルが生じないようにしておくことが大切です。
2 就業規則の内容
就業規則に記載する事項には、必ず記載しなければならない事項(以下「絶対的必要記載事項」といいます。)と、各事業場内でルールを定める場合には記載しなければならない事項(以下「相対的必要記載事項」といいます。)があります(労働基準法(昭和22年法律第49号。以下「労基法」といいます。)第89条)。このほか、使用者... | 就業規則はなぜ必要ですか。 | 労働者が安心して働ける明るい職場を作ることは、事業規模や業種を問わず、すべての事業場にとって重要なことです。そのためには、あらかじめ就業規則で労働時間や賃金をはじめ、人事・服務規律など、労働者の労働条件や待遇の基準をはっきりと定め、労使間でトラブルが生じないようにしておくことが大切です。 |
JCRRAG_011177 | 社内規定 | 1 就業規則の意義
労働者が安心して働ける明るい職場を作ることは、事業規模や業種を問わず、すべての事業場にとって重要なことです。そのためには、あらかじめ就業規則で労働時間や賃金をはじめ、人事・服務規律など、労働者の労働条件や待遇の基準をはっきりと定め、労使間でトラブルが生じないようにしておくことが大切です。
2 就業規則の内容
就業規則に記載する事項には、必ず記載しなければならない事項(以下「絶対的必要記載事項」といいます。)と、各事業場内でルールを定める場合には記載しなければならない事項(以下「相対的必要記載事項」といいます。)があります(労働基準法(昭和22年法律第49号。以下「労基法」といいます。)第89条)。このほか、使用者... | 絶対的必要記載事項における労働時間関係の事項は何ですか。 | 始業及び終業の時刻、休憩時間、休日、休暇並びに労働者を2組以上に分けて交替に就業させる場合においては就業時転換に関する事項 |
JCRRAG_011178 | 社内規定 | 相対的必要記載事項とは、就業規則において会社で独自に定めているもの(退職手当、賞与等の臨時の賃金、安全及び衛生等)があれば、記載しなければならないこととなっています。
相対的必要記載事項は次のとおりです。
(1) 退職手当関係
適用される労働者の範囲、退職手当の決定、計算及び支払の方法並びに退職手当の支払の時期に関する事項
(2) 臨時の賃金・最低賃金額関係
臨時の賃金等(退職手当を除きます。)及び最低賃金額に関する事項
(3) 費用負担関係
労働者に食費、作業用品その他の負担をさせることに関する事項
(4) 安全衛生関係
安全及び衛生に関する事項
(5) 職業訓練関係
職業訓練に関する事項
(6) 災害補償・業務外の傷病扶助関係
... | 相対的必要記載事項の記載は、法律上必要でしょうか。 | 相対的必要記載事項とは、就業規則において会社で独自に定めているもの(退職手当、賞与等の臨時の賃金、安全及び衛生等)があれば、記載しなければならないこととなっています。 |
JCRRAG_011179 | 社内規定 | 3 就業規則の作成及び変更の手続
労基法は、労働者を1人でも使用する事業場に適用されますが、就業規則については、常時10人以上の労働者を使用する事業場においては、これを作成しまたは変更する場合に、所轄労働基準監督署長に届け出なければならないとされています。
また、就業規則は、企業単位ではなく事業場単位で作成し、届け出なければなりません。
例えば、1企業で2以上の営業所、店舗等を有している場合、企業全体の労働者の数を合計するのではなく、それぞれの営業所、店舗等を1つの事業場としてとらえ、常時使用する労働者が10人以上の事業場について就業規則を作成する義務が生じます。なお、複数の営業所、店舗等の事業場を有する企業については、営業所、店舗... | 就業規則は企業単位で作成、届出をする必要がありますか。 | 就業規則は、企業単位ではなく事業場単位で作成し、届け出なければなりません。 |
JCRRAG_011180 | 社内規定 | 3 就業規則の作成及び変更の手続
労基法は、労働者を1人でも使用する事業場に適用されますが、就業規則については、常時10人以上の労働者を使用する事業場においては、これを作成しまたは変更する場合に、所轄労働基準監督署長に届け出なければならないとされています。
また、就業規則は、企業単位ではなく事業場単位で作成し、届け出なければなりません。
例えば、1企業で2以上の営業所、店舗等を有している場合、企業全体の労働者の数を合計するのではなく、それぞれの営業所、店舗等を1つの事業場としてとらえ、常時使用する労働者が10人以上の事業場について就業規則を作成する義務が生じます。なお、複数の営業所、店舗等の事業場を有する企業については、営業所、店舗... | 法律上、就業規則は企業全体の労働者の数が10人以上の場合に作成が必要でしょうか。 | 就業規則については、常時10人以上の労働者を使用する事業場においては、これを作成しまたは変更する場合に、所轄労働基準監督署長に届け出なければならないとされています。 |
JCRRAG_011181 | 社内規定 | 3 就業規則の作成及び変更の手続
労基法は、労働者を1人でも使用する事業場に適用されますが、就業規則については、常時10人以上の労働者を使用する事業場においては、これを作成しまたは変更する場合に、所轄労働基準監督署長に届け出なければならないとされています。
また、就業規則は、企業単位ではなく事業場単位で作成し、届け出なければなりません。
例えば、1企業で2以上の営業所、店舗等を有している場合、企業全体の労働者の数を合計するのではなく、それぞれの営業所、店舗等を1つの事業場としてとらえ、常時使用する労働者が10人以上の事業場について就業規則を作成する義務が生じます。なお、複数の営業所、店舗等の事業場を有する企業については、営業所、店舗... | 就業規則を作成又は変更する場合の所轄労働基準監督署長への届出は、就業規則だけ届け出ればよいのでしょうか。 | 就業規則を作成し、又は変更する場合の所轄労働基準監督署長への届出については、労働者の過半数で組織する労働組合がある場合はその労働組合、過半数で組織する労働組合がない場合は労働者の過半数を代表する者の意見を記し、その者の署名又は記名押印のある書面(意見書)を添付しなければなりません。 |
JCRRAG_011182 | 社内規定 | 作成した就業規則は、各労働者に配布したり、各職場に掲示したりするなどにより労働者に周知させなければなりません。(労働基準法第 106 条)
・ 周知の方法としては、労働者一人ひとりへの配付、労働者がいつでも見られるような職場の見やすい場所への掲示・備え付け、電子媒体に記録し、それを常時モニター画面等で確認できるようにすること、などが考えられます。
・ 派遣労働者の場合、通常は派遣先の職場で働いており、派遣元事業者の事業所に立ち寄ることは少ないことから、できるだけ一人ひとりに配付するか、電子媒体に記録し、それを常時モニター画面等で確認できるようにすることが望まれます。
・ 派遣労働者に就業規則を周知し内容への理解を促すため、特に重要な... | 就業規則は労働者に周知させる必要はありますか。 | 作成した就業規則は、各労働者に配布したり、各職場に掲示したりするなどにより労働者に周知させなければなりません。 |
JCRRAG_011183 | 社内規定 | 作成した就業規則は、各労働者に配布したり、各職場に掲示したりするなどにより労働者に周知させなければなりません。(労働基準法第 106 条)
・ 周知の方法としては、労働者一人ひとりへの配付、労働者がいつでも見られるような職場の見やすい場所への掲示・備え付け、電子媒体に記録し、それを常時モニター画面等で確認できるようにすること、などが考えられます。
・ 派遣労働者の場合、通常は派遣先の職場で働いており、派遣元事業者の事業所に立ち寄ることは少ないことから、できるだけ一人ひとりに配付するか、電子媒体に記録し、それを常時モニター画面等で確認できるようにすることが望まれます。
・ 派遣労働者に就業規則を周知し内容への理解を促すため、特に重要な... | 周知がなされていない就業規則には、なにが認められませんか。 | 周知がなされていない就業規則には、効力が認められません。 |
JCRRAG_011184 | 社内規定 | 作成した就業規則は、各労働者に配布したり、各職場に掲示したりするなどにより労働者に周知させなければなりません。(労働基準法第 106 条)
・ 周知の方法としては、労働者一人ひとりへの配付、労働者がいつでも見られるような職場の見やすい場所への掲示・備え付け、電子媒体に記録し、それを常時モニター画面等で確認できるようにすること、などが考えられます。
・ 派遣労働者の場合、通常は派遣先の職場で働いており、派遣元事業者の事業所に立ち寄ることは少ないことから、できるだけ一人ひとりに配付するか、電子媒体に記録し、それを常時モニター画面等で確認できるようにすることが望まれます。
・ 派遣労働者に就業規則を周知し内容への理解を促すため、特に重要な... | 派遣元事業者の担当者が就業規則を熟知しておく必要はあるか。 | 派遣元事業者の担当者が就業規則を熟知していないために説明が曖昧になり、トラブルになるケースも少なくないことから、派遣元事業者の担当者が就業規則を熟知しておくことも必要です。 |
JCRRAG_011185 | 社内規定 | 職能資格制度とは
職能資格制度とは、職務を遂行する能力を基準に社員を評価し、給与算定の基礎となる等級を定める制度です。ただし、職務遂行力で個人を評価する一方で、経験に比例して等級が上がっていく側面もあり、勤続年数が多いほど高い職能があるとみなされます。したがって、等級が下がることは基本的にありません。
日本で誕生した人事評価制度で、職能資格制度、職務等級制度、役割等級制度と3種類ある等級制度の中では、最も国内で普及したものといえます。戦後、年功序列や終身雇用制の考え方が広まっていった日本の企業と相性が良く、1970年代頃に定着していきました。
職務等級制度との違い
職能資格制度と似た制度に、職務等級制度があります。職能資格制度が... | 職務等級制度の特徴を教えてください。 | 職務等級制度は主に欧米で発展を遂げた人事評価制度で、成果主義ともいえる点が特徴です。職能資格制度と違い、年齢や勤続年数は評価に関係ありません。 |
JCRRAG_011186 | 社内規定 | <就業規則の周知を工夫している事業者の例>
○就業規則の内容についての認知・理解の促進と確認
・ 就業規則の中に、派遣労働者に対して就業規則を理解し遵守しなくてはならないことを明記している例があります。(例①)
・ 登録時や派遣先での就業前に、派遣労働者と就業規則やその抜粋の読み合わせを行い、内容を理解したことについて派遣労働者に署名を求めている例があります。
・ 服務規定や懲戒規定の内容を理解し、遵守を誓約することを、登録要件としている例があります。
○過半数代表の選出方法
・ 派遣労働者に対し、E メールで候補者を知らせ、E メールで信任投票を行っている例があります。
・ 派遣元事業者が設置運営し、派遣労働者にアクセス権を与えて... | ウェブサイトで就業規則を公開しているとどういう効果が期待されますか。 | ウェブサイトで、就業規則を公開している派遣元事業者もあります。派遣労働者がいつでも就業規則を見られることに加え、その派遣元事業者への登録・就職を考えている人への情報提供にもなります。また、派遣先の指揮命令者や管理者が見ることで、派遣労働者の就業環境改善につながることが期待されます。 |
JCRRAG_011187 | 社内規定 | 総則には、一般的に就業規則の作成の目的や適用範囲等を規定します。
第1条 この就業規則(以下「規則」という。)は、労働基準法(以下「労基法」という。)第89条に基づき、〇〇株式会社の労働者の就業に関する事項を定めるものである。
2 この規則に定めた事項のほか、就業に関する事項については、労基法その他の法令の定めによる。
【第1条 目的】
1 この就業規則規程例(以下「本規程例」といいます。)では、労働者の就業に関する事項を定めていますが、その前提にある法令上の基準は、労基法等関係法令に定められています。
2 本規程例に労働者の就業に関するすべての事項が定められているわけではありません。本規程例に定めがない事項については、労基法等... | 総則には、一般的に何の作成の目的や適用範囲等を規定しますか。 | 総則には、一般的に就業規則の作成の目的や適用範囲等を規定します。 |
JCRRAG_011188 | 社内規定 | (適用範囲)
第2条 この規則は、 〇〇株式会社の労働者に適用する。
2 パートタイム労働者の就業に関する事項については、別に定めるところによる。
3 前項については、別に定める規則に定めのない事項は、この規則を適用する。
【第2条 適用範囲】
1 就業規則は、すべての労働者について作成する必要があります。しかし、就業規則は、必ずしもすべての労働者について同一のものでなければならないわけではありません。
同一の事業場であっても、通常の労働者と勤務態様の異なるパートタイム労働者等については、一定の事項について特別の規定を設けたり、別の就業規則を定めることができます。
パートタイム労働者等について、規程の一部を適用除外とする場合や全面的... | 同一の事業場であっても、通常の労働者と勤務態様の異なる何については、一定の事項について特別の規定を設けたり、別の就業規則を定めることができますか。 | 同一の事業場であっても、通常の労働者と勤務態様の異なるパートタイム労働者等については、一定の事項について特別の規定を設けたり、別の就業規則を定めることができます。 |
JCRRAG_011189 | 社内規定 | (適用範囲)
第2条 この規則は、 〇〇株式会社の労働者に適用する。
2 パートタイム労働者の就業に関する事項については、別に定めるところによる。
3 前項については、別に定める規則に定めのない事項は、この規則を適用する。
【第2条 適用範囲】
1 就業規則は、すべての労働者について作成する必要があります。しかし、就業規則は、必ずしもすべての労働者について同一のものでなければならないわけではありません。
同一の事業場であっても、通常の労働者と勤務態様の異なるパートタイム労働者等については、一定の事項について特別の規定を設けたり、別の就業規則を定めることができます。
パートタイム労働者等について、規程の一部を適用除外とする場合や全面的... | パートタイム労働者への待遇差別はどの範囲までが禁止となっていますか。 | 働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律(平成30年法律第71号)による改正により、2020年4月(中小企業におけるパートタイム労働者、有期雇用労働者については2021年4月)より、パートタイム労働者や有期雇用労働者、派遣労働者の待遇について、職務内容、職務内容・配置の変更範囲等を考慮して、通常の労働者との間で不合理な待遇差を設けることは禁止されます。 |
JCRRAG_011190 | 社内規定 | (適用範囲)
第2条 この規則は、 〇〇株式会社の労働者に適用する。
2 パートタイム労働者の就業に関する事項については、別に定めるところによる。
3 前項については、別に定める規則に定めのない事項は、この規則を適用する。
【第2条 適用範囲】
1 就業規則は、すべての労働者について作成する必要があります。しかし、就業規則は、必ずしもすべての労働者について同一のものでなければならないわけではありません。
同一の事業場であっても、通常の労働者と勤務態様の異なるパートタイム労働者等については、一定の事項について特別の規定を設けたり、別の就業規則を定めることができます。
パートタイム労働者等について、規程の一部を適用除外とする場合や全面的... | パートタイム労働者への待遇差の違いがある理由をパートタイム労働者に言わないといけないのか。 | パートタイム労働者・有期雇用労働者と通常の労働者との間で、賃金等について取扱いに違いがある場合、パートタイム・有期雇用労働者から求められたときは、相違の内容及び理由について説明する必要があります。 |
JCRRAG_011191 | 社内規定 | 第2章 採用、異動等
採用、異動等については、一般的に採用に際しての手続に関する事項、試用期間、労働条件の明示、人事異動、休職に関すること等を定めます。
(採用手続)
第4条 会社は、入社を希望する者の中から選考試験を行い、これに合格した者を採用する。
【第4条 採用手続】
1 会社は、労働者の採用に当たり、男女かかわりなく均等な機会を与えなければなりません(雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律(昭和47年法律第113号。以下「均等法」といいます。)第5条)。
2 合理的な理由がない場合に、労働者の採用において身長・体重・体力を要件とすること、転居を伴う転勤に応じることを要件とすること等は、間接差別とし... | 労働者の年齢、現住所を確認するために戸籍謄本や住民表は提出させてもいいのか。 | 会社は、労働者の年齢、現住所を確認するに当たり、労働者から戸籍謄本(抄本)や住民票の写しを提出させることは適切ではありません。住民票記載事項の証明書により処理することが適切です。 |
JCRRAG_011192 | 社内規定 | 第2章 採用、異動等
採用、異動等については、一般的に採用に際しての手続に関する事項、試用期間、労働条件の明示、人事異動、休職に関すること等を定めます。
(採用手続)
第4条 会社は、入社を希望する者の中から選考試験を行い、これに合格した者を採用する。
【第4条 採用手続】
1 会社は、労働者の採用に当たり、男女かかわりなく均等な機会を与えなければなりません(雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律(昭和47年法律第113号。以下「均等法」といいます。)第5条)。
2 合理的な理由がない場合に、労働者の採用において身長・体重・体力を要件とすること、転居を伴う転勤に応じることを要件とすること等は、間接差別とし... | 間接差別とはなんですか。 | 間接差別とは、「性別以外の事由を要件に、一方の性の構成員に他の性の構成員と比較して相当程度の不利益を与えるものを、合理的理由なく講じること」をいいます。 |
JCRRAG_011193 | 社内規定 | 第2章 採用、異動等
採用、異動等については、一般的に採用に際しての手続に関する事項、試用期間、労働条件の明示、人事異動、休職に関すること等を定めます。
(採用手続)
第4条 会社は、入社を希望する者の中から選考試験を行い、これに合格した者を採用する。
【第4条 採用手続】
1 会社は、労働者の採用に当たり、男女かかわりなく均等な機会を与えなければなりません(雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律(昭和47年法律第113号。以下「均等法」といいます。)第5条)。
2 合理的な理由がない場合に、労働者の採用において身長・体重・体力を要件とすること、転居を伴う転勤に応じることを要件とすること等は、間接差別とし... | 理由なく労働者の募集や採用において身長・体重・体力を要件にしてもいいのか。 | 合理的な理由がない場合に、労働者の採用において身長・体重・体力を要件とすること、転居を伴う転勤に応じることを要件とすること等は、間接差別として禁止されています。 |
JCRRAG_011194 | 社内規定 | (試用期間)
第6条 労働者として新たに採用した者については、採用した日から〇か月間を試用期間とする。
2 前項について、会社が特に認めたときは、試用期間を短縮し、又は設けないことがある。
3 試用期間中に労働者として不適格と認めた者は、解雇することがある。ただし、入社後14日を経過した者については、第53条第2項に定める手続によって行う。
4 試用期間は、勤続年数に通算する。
【第6条 試用期間】
1 試用期間を設ける場合にその期間の長さに関する定めは労基法上ありませんが、労働者の地位を不安定にすることから、あまりに長い期間を試用期間とすることは好ましくありません。
2 試用期間中の解雇については、最初の14日間以内であれば即時... | 労働者をいつまでも試用期間として採用してもいいのか。 | 試用期間を設ける場合にその期間の長さに関する定めは労基法上ありませんが、労働者の地位を不安定にすることから、あまりに長い期間を試用期間とすることは好ましくありません。 |
JCRRAG_011195 | 社内規定 | (試用期間)
第6条 労働者として新たに採用した者については、採用した日から〇か月間を試用期間とする。
2 前項について、会社が特に認めたときは、試用期間を短縮し、又は設けないことがある。
3 試用期間中に労働者として不適格と認めた者は、解雇することがある。ただし、入社後14日を経過した者については、第53条第2項に定める手続によって行う。
4 試用期間は、勤続年数に通算する。
【第6条 試用期間】
1 試用期間を設ける場合にその期間の長さに関する定めは労基法上ありませんが、労働者の地位を不安定にすることから、あまりに長い期間を試用期間とすることは好ましくありません。
2 試用期間中の解雇については、最初の14日間以内であれば即時... | 試用期間中に解雇した場合、手当を払うケースはあるか。 | 試用期間中の者も14日を超えて雇用した後に解雇する場合には、原則として30日以上前に予告をしなければなりません。予告をしない場合には、平均賃金の30日分以上の解雇予告手当を支払うことが必要となります。 |
JCRRAG_011196 | 社内規定 | (試用期間)
第6条 労働者として新たに採用した者については、採用した日から〇か月間を試用期間とする。
2 前項について、会社が特に認めたときは、試用期間を短縮し、又は設けないことがある。
3 試用期間中に労働者として不適格と認めた者は、解雇することがある。ただし、入社後14日を経過した者については、第53条第2項に定める手続によって行う。
4 試用期間は、勤続年数に通算する。
【第6条 試用期間】
1 試用期間を設ける場合にその期間の長さに関する定めは労基法上ありませんが、労働者の地位を不安定にすることから、あまりに長い期間を試用期間とすることは好ましくありません。
2 試用期間中の解雇については、最初の14日間以内であれば即時... | 労働者に、書面を交付せず労働条件に関して労働契約の期間に関する事項だけを明示してもいいのか。 | 労働者を雇い入れるに際し、労働者に賃金、労働時間、その他の労働条件を明示することが必要です。 |
JCRRAG_011197 | 社内規定 | 労働者が以下のいずれかの方法を希望した場合には、当該方法により労働条件の明示を行うことができます。
・ ファクシミリを利用して送信する方法
・ 電子メールその他のその受信をする者を特定して情報を伝達するために用いられる電気通信の送信の方法
※「電子メール等」には以下が含まれます。
① E メール、Yahoo!メールや Gmail 等のウェブメールサービス
② +メッセージ等の RCS(リッチ・コミュニケーション・サービス)や、SMS(ショート・メール・サービス)
③ LINE や Facebook 等の SNS メッセージ機能
ただし、ブログやホームページへの書き込みのように、特定の個人がその入力する情報を電気通信を利用して第三者に... | パートタイム・有期雇用労働者について、昇給、退職手当、賞与の有無、相談窓口についても文書の交付等により明示しなければならないのは、何に際してですか。 | パートタイム・有期雇用労働者について、昇給、退職手当、賞与の有無、相談窓口についても文書の交付等により明示しなければならないのは、雇入れに際してです。 |
JCRRAG_011198 | 社内規定 | 労働者が以下のいずれかの方法を希望した場合には、当該方法により労働条件の明示を行うことができます。
・ ファクシミリを利用して送信する方法
・ 電子メールその他のその受信をする者を特定して情報を伝達するために用いられる電気通信の送信の方法
※「電子メール等」には以下が含まれます。
① E メール、Yahoo!メールや Gmail 等のウェブメールサービス
② +メッセージ等の RCS(リッチ・コミュニケーション・サービス)や、SMS(ショート・メール・サービス)
③ LINE や Facebook 等の SNS メッセージ機能
ただし、ブログやホームページへの書き込みのように、特定の個人がその入力する情報を電気通信を利用して第三者に... | 採用内定に際して、内定者に労働条件を書面で明示する必要があるのは、どのような場合ですか。 | 採用内定に際して、内定者に労働条件を書面で明示する必要があるのは、採用内定により労働契約が成立していると解される場合です。 |
JCRRAG_011199 | 社内規定 | 労働者が以下のいずれかの方法を希望した場合には、当該方法により労働条件の明示を行うことができます。
・ ファクシミリを利用して送信する方法
・ 電子メールその他のその受信をする者を特定して情報を伝達するために用いられる電気通信の送信の方法
※「電子メール等」には以下が含まれます。
① E メール、Yahoo!メールや Gmail 等のウェブメールサービス
② +メッセージ等の RCS(リッチ・コミュニケーション・サービス)や、SMS(ショート・メール・サービス)
③ LINE や Facebook 等の SNS メッセージ機能
ただし、ブログやホームページへの書き込みのように、特定の個人がその入力する情報を電気通信を利用して第三者に... | 労働条件の明示を行うことはできない例はあるのか。 | ブログやホームページへの書き込みのように、特定の個人がその入力する情報を電気通信を利用して第三者に閲覧させることに付随して、当該第三者が当該個人に対し情報を伝達することができる機能が提供されるものについては、「その受信する者を特定して情報を伝達するために用いられる電気通信」には含まれないため、この方法により労働条件の明示を行うことはできません。 |
JCRRAG_011200 | 社内規定 | (人事異動)
第8条 会社は、業務上必要がある場合に、労働者に対して就業する場所及び従事する業務の変更を命ずることがある。
2 会社は、業務上必要がある場合に、労働者を在籍のまま関係会社へ出向させることがある。
3 前2項の場合、労働者は正当な理由なくこれを拒むことはできない。
【第8条 人事異動】
1 労働者を採用した後、会社が業務上の理由から就業場所や従事する業務を変更することは、変更がない旨の特別な合意等がない限り可能です。しかしながら、労働者の意に沿わない就業場所等の変更を命じた場合、トラブルが生じる可能性がありますので、就業規則に明記しておくことが望ましい。もちろん、労働者の同意を得るようにすることが大切であることは言うま... | 採用した労働者の就業場所や従事する業務を変更するつもりだが就業規則に書かなくてもいいのか。 | 労働者を採用した後、会社が業務上の理由から就業場所や従事する業務を変更することは、変更がない旨の特別な合意等がない限り可能です。しかしながら、労働者の意に沿わない就業場所等の変更を命じた場合、トラブルが生じる可能性がありますので、就業規則に明記しておくことが望ましい。 |
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